猪谷関所館 | 「富山ってどこ?」とは言わせない!

猪谷関所館

今回は富山と岐阜の県境、

富山市(旧・細入村)猪谷にある

「猪谷関所館」

におじゃましました!


「富山ってどこ?」とは言わせない!

JR猪谷駅のすぐ前にあるこの施設。

この猪谷地区は、

越中と飛騨を結ぶ飛騨街道の拠点として

越中からは米、塩、ブリなどが、

飛騨からは木材を中心に

古くから人や物が多く行き交う

大変重要な地域でした。


「富山ってどこ?」とは言わせない!

館内は5つのブースに分かれており、

江戸時代初期~現在に至るまでの

猪谷地区の歴史の変遷を

順に辿ることができます。


「富山ってどこ?」とは言わせない!

館内に入るとまず目に入るのが

こちらの木彫りの仏像

江戸時代前期に活躍した

美濃出身の僧・円空が残した

「円空仏」と呼ばれるもので

荒々しさと柔和さを合わせ持った

独特の作品が

歴史ロマンの旅へと誘ってくれます。


この円空仏、

全国で発見されているそうですが、

特に円空の出身地である岐阜や愛知などで

多く見つかっており、

この猪谷周辺でも現在24体見つかっているそうです。

円空は立山に向かう際にこの細入地域へ

立ち寄ったと言われています。


「富山ってどこ?」とは言わせない!

「猪谷関所館」という名前からお分かりのように、

この猪谷には江戸時代、関所が設けられていました。

越中と飛騨の国境に位置するこの地で、

人や物の出入を厳しく取り締まったのです。


「富山ってどこ?」とは言わせない!

「富山ってどこ?」とは言わせない!

その当時の関所の様子の一部が再現された

セットも見ることができます。

そして怪しいヤツが来たら…


「富山ってどこ?」とは言わせない!

見るからにイカツい

刺股、袖搦(そでがらみ)、突棒(つくぼう)

取り押さえられたそう…(><;)


何でも、猪谷には

間を通る神通川を境にして

東猪谷関所西猪谷関所に分かれており、

加賀藩西越中藩が取り締まるということで、

「加賀藩に迷惑を掛けてはならぬ」

真面目な越中藩

常に厳戒態勢を敷いていたそうです。


「富山ってどこ?」とは言わせない!

ちょっと暗いですがこちらは「木札」です。


関所を通過するには

「過書」と呼ばれるビザのようなものを

家老や町奉行等から

発行してもらわなければならなかったのですが、

飛騨への物資運搬森林伐採をしている人

頻繁に通らねばならないのに、

その都度、面倒なチェックを受けるのは

いかがなものかということで

そのような人々に渡されたのが

焼印を押されたこの「木札」だったのです。

言わばフリーパスですね(*^o^*)


「富山ってどこ?」とは言わせない!

さてこちらは何でしょうか??


これは「籠渡し(かごのわたし)」と呼ばれるもので

断崖絶壁の渓谷や急流を渡るための

貴重な交通手段となったものなんです!


「そんなの橋を架ければいい話じゃないか」

と思われるかもしれませんが、

運の悪いことにこの地は

飛騨と越中の丁度国境にあった宮川。

軍事上、警備上の理由から

橋を掛けたくても掛けられなかったのです(>_<)


「富山ってどこ?」とは言わせない!

川からの高さ何と8メートル!!

命綱なしで自分で籠を揺らしたり

縄をたぐり寄せながら渡っていたなんて

怖すぎてとても想像できません(>_<)


この籠渡しの様子は

各地のお偉いさんが見物に来られるほどの光景で、

あの歌川広重の絵にも描かれるほど

有名なものとなりました。


「富山ってどこ?」とは言わせない!


「富山ってどこ?」とは言わせない!

明治時代になると関所が廃止され、

橋もかけられ、道も整備されていきました。

人や荷物の運搬には荷馬車が使われ始め、

やがて神岡鉱山の繁栄に伴って

取扱量が増えてくると

馬車軌道が整備され

貨車を馬が引く形に変わっていきました。


先日ご紹介した

レストランまる三 さんでお伺いした

馬車軌道の話はこういうことだったんだと

改めて理解を深めることが出来ましたニコニコ


神岡鉱山で働く人々の宿舎が

猪谷駅近辺に作られ、

娯楽のための映画館も作られるなど

猪谷は大きく発展していったそうです。


「富山ってどこ?」とは言わせない!

その後馬車は昭和に入ると機関車へと変わり、

昭和41年には神岡鉱山で産出された物資とともに

住民の交通の貴重な足となった神岡鉄道が開通。

ますます発展の一途を辿るかと思われましたが、

神岡鉱山の衰退とともに

平成17年、

ついに神岡鉄道は消滅してしまいました。

その当時を偲ぶ数々のコレクションが

こちらに展示されています。


「富山ってどこ?」とは言わせない!

ちょっと駆け足になってしまいましたが、

全部ご紹介すると

ここだけを見て

誰も足を運ばなくなってしまうので

後は実際にご覧頂いてのお楽しみ、としておきましょう(^_^;)


まだまだご紹介しきれなかった数々の歴史を物語る

貴重な資料や実際に使用された物が展示されており、

ビデオで分かりやすい解説をご覧頂くこともできます。


越中と飛騨を結ぶ玄関口として

互いの特産物とともに、

数々の先人達の熱い想いが

交わり合った猪谷関所。


今はひっそりと佇む

「越中最後の秘境」で

かつての賑わいと

現在の静寂を

心の中で対比させながら

悠久の時代絵巻を

ご覧になってみませんか?


<施設情報>

猪谷関所館

住所:富山市(旧・細入村)猪谷978-4

(国道41号線を高山方面に進み、

猪谷の押ボタン信号のある交差点を右折すると見えてきます。)


大きな地図で見る

TEL:076-484-1007

開館時間:9:00~17:00(入館は16:30まで)

入館料:大人150円、団体20名以上1人120円、中学生以下無料

休館日:月曜、第3日曜、祝日の翌日、年末年始

P:20台程度(施設の裏側に駐車場があります。)


※こぼれ話

こちらの猪谷関所館の館長さんは

何と私の両親の高校の担任の先生であったことが判明!

私の目を見て「絶対そうだ!」と確信されたそうです(*^o^*)

世の中、どこでどう繋がっているか

本当に分からなくて面白いものだなと思いながら

家路に着いたのでした。


館長さん、本当にありがとうございました!

いつか両親も連れてお伺いできればと思いますので

どうぞよろしくお願い致します!