私が二人きりで過ごすことの一番少ない家族は、心晴である。
二人目を出産した人は、皆言う。「下の子には、なかなか手をかけてあげ
られない」と。もちろん、うちも例外にあらずであった。上の子は自分をア
ピールできる。自然と上の子と遊ぶ時間が増える。下の子は後回し、とい
う場面も多々出てくる。
本人にしてみればそれが当たり前のことだから、大して何とも思わないか
も知れないが、親は、上の子の時とのあまりの差に罪悪感を抱いてしまう。
私がそうである。二人姉妹の次女で、親も祖父母も「手をかけてあげられ
なくてかわいそうだった」と口を揃える。パン屋をしていた両親は忙しく、私
は一歳にもならないうちに保育園に通うこととなる。
でも当の本人は、言われるまで自分がかわいそうだなんて思わなかった。
そんなものだと思っていたし、保育園でも楽しい時間を過ごしていたから。
父母がせっかくの休みの日にも、遊びに連れて行ってくれたからかもしれ
ない。疲れていただろうに。家でゆっくり過ごしたかっただろうに。大人にな
って、両親の温かさに気付く。(もっと早くに気付きたかった・・・)
要は、やはり愛情が大切だということだろう。愛情さえ感じていられれば、
寂しさもない。
だから私も、普段はあまり手をかけてあげられない分、たまにある二人っ
きりの時間は、濃密に相手をするのだ。たっぷり遊んであげる。すると心
晴も嬉しそう。いつも以上によく笑う。かわいくて仕方がない。
そう、私は子どもの頃、よく笑う愛想のいい子だったらしい。心晴も早くから
よく笑う子で、その笑顔見たさによく顔を覗き込んだっけ。
周りの気を引くための特性を、下の子は生まれながらにしてもっているのか
もしれない。




