『犬神家の一族』におけるヒロインと姑。

よく見比べてみると、珠世の名探偵としての才能が見えます。

 

珠世はすぐに静馬の偽佐清を看破し、そして自身と佐清の思い出の品である、懐中時計を使ったトリッキーな戦法で、静馬の尻尾を掴もうとしました。

一方の松子は、珠世暗殺未遂では、危険生物(蝮)の扱いや工学(ブレーキやボートの底への細工)への強さ、そして毒物の扱い(若林暗殺と自らの自決)を披露、更に男三人を近接戦で殺害した腕っ節の強さ。そして静馬の偽佐清を見抜けなかった、洞察力の欠如。

 

洞察や推理の珠世に対し、実働の松子という対比が、まるでホームズ対ワトソンの殺し合いとも見えるのは、果たして気のせいでしょうか?