ふと思い出したことシリーズ その二十二 | 蓼食う虫も好き好き

蓼食う虫も好き好き

自分が何科のなんという虫かはわかりませんが、時々見つけた蓼を齧ってみたいと思います



   昔、わたしの田舎では、小学校に巡回映画が来た


   体育館に俄かスクリーンが貼られて、


   どっかが推奨する映画が流される



   何年生の時だったか覚えてはいないけれど、その中の一本に、


   『僕どうして涙が出るの?』というのがあった


   心臓の病気を患った少年と女性の話だ



   あらすじなど当然覚えてはいないけれど、


   ある種の唄を聞いた時とか、


   ある種の体験をした時などに思い出す



   行ったこともない病室にいる自分を見る



   既視感



   実際に体験したわけでもないのに、

 
   妙に感じとしてわかるという感覚だ



   どなたでも、多分感じる時があるであろう既視感


   それは命が、否応が無く連綿と続いてきた証拠だ



   DNA検査なんぞ無粋な話だが、


   ものを言わなくても、DNAはすべてを物語る



   実際、今生きている私たちは、既視感と言う形でそれを感じている