昔、わたしの田舎では、小学校に巡回映画が来た
体育館に俄かスクリーンが貼られて、
どっかが推奨する映画が流される
何年生の時だったか覚えてはいないけれど、その中の一本に、
『僕どうして涙が出るの?』というのがあった
心臓の病気を患った少年と女性の話だ
あらすじなど当然覚えてはいないけれど、
ある種の唄を聞いた時とか、
ある種の体験をした時などに思い出す
行ったこともない病室にいる自分を見る
既視感
実際に体験したわけでもないのに、
妙に感じとしてわかるという感覚だ
どなたでも、多分感じる時があるであろう既視感
それは命が、否応が無く連綿と続いてきた証拠だ
DNA検査なんぞ無粋な話だが、
ものを言わなくても、DNAはすべてを物語る
実際、今生きている私たちは、既視感と言う形でそれを感じている