きのう、例のタイ人の友人の店の前庭で、
今年最後にはなるだろうという徹底的な草むしりをしていると、
その前提の片隅に一台の原付バイクが停まった
何気なく観察していると、
そのライダーである女子高校生が、シートを上げてみたり、
なにやら困った素振りだ
例のタイ人の友人が問うと、
『ガソリンが切れました』だった
ここからは100m程のところにガソリンスタンドがある
引いて行けばどうにでもなるところだ
わたしも加わって話をすると、小銭入れを取り出して中身を見せてくれた
決して沢山のお金が入っているわけで無かったけれど、
原付バイクには充分の小銭があった
更に聞くと、その彼女の家は多分数キロ先になるそうなのだが、
彼女は、『大丈夫です、引いて帰ります』と言う
面倒見たがり屋の例のタイ人の友人が、
わたしに、『買ってきてやれ』と命令を発した
わたしは車を飛ばして、100m先の一応馴染みのスタンドで、
これこれこういう訳だと説明して、
容器を借りて2リッターを仕入れ、店に戻った
彼女は恐縮の体で、何度も頭を下げた
たまたまその時間に、例のタイ人の友人には約束があった
それを顧みず例のタイ人の友人は、彼女を助けた(わたしには、命令であったのだが)
その約束先には、わたしが連絡を入れて事なきを得た
さて、
今日も相変わらず例のタイ人の友人の店先の草むしりをしていると、
一台の車が停まった
降りてきたのは、昨日のバイクの彼女の母親だった
『昨日、娘がたいへんお世話になったそうで』
というお礼の来訪だった
遅れて後ろの席から、昨日の女子高生も現れた
二人して深々とお礼をしてくれた
『これは、家で作っているものです、ありがとうございました』と
ダンボールに入った、かぼちゃとサツマイモを差し出した
そんな心算では無かったのだけれど、
例のタイ人の友人の喜捨の気持ちでやってあげたことなのだけれど、
そういう形でお礼がきた
どうということでは無いけれど、まあ、自分的には心温まる出来事であった
その時例のタイ人の友人は留守であった
わたしは、丁重にお礼を言って車が立ち去るのを見送った