頻繁に子供たちを「精養軒」やら「神田川」に連れて行ったというから、
舌は肥えていたはずだ
しかし、鴎外は美食よりも、素材そのものを味わうことを好んだらしい
たとえば、「じゃがいもを茹でて醤油を垂らしたもの」「筍を煮たもの」や、
茄子、キュウリなどを有難がったという
また、「漬物にしょうゆをかけて、さらにかつおぶしをかけて食べる」のもお気に入りで、
妻がいなければ、「ごはんに醤油をかけて食べる」ので満足していたとも。
作家であったと共に、細菌学を修め陸軍軍医でもあった鴎外は、
あまり手の込んだものは敬遠したようだ(人の手を経る回数が多いので)
子供たちにはマヨネーズを食べさせなかったというから、本人はよくとも
子供たちには迷惑だっただろう、多分
酒が駄目で甘党だった鴎外の好物で極めつけは、
「お饅頭を御飯の上に乗せてお茶をかけて食べる」だ
さすがに一味ちがう御仁である
こんなこと
