ふと思い出したことシリーズ その六 | 蓼食う虫も好き好き

蓼食う虫も好き好き

自分が何科のなんという虫かはわかりませんが、時々見つけた蓼を齧ってみたいと思います



   




   わたしはかつて、ある建設会社の課員が一人もいない総務部管理課長なるものを拝命していた。




   ようするに何でも屋だ。



   経理の手伝いから、車両管理から、書類作成から、資材管理から、なんでもやった。




   その資材管理の都合上、わたしはちょくちょく資材倉庫のチェックに出向いた。




   そこには、資材の整頓整理をお願いしているアルバイトのおばさんがいた。



   あるとき、おばさんからこう苦情を申しつけられた。




   「課長さん、わたしがせっかく綺麗にしといても、みんな現場へもってちゃうんだに プンプン 」




     あたりまえだのクラッカーだろ。おばさんはみんなが現場へ資材をもっていくのに、


     持って行きやすいように管理するのが役目なんだよ。



   

   心の中で、そう罵りながら、わたしはこう言った。




   「わかりました。みんなに注意しておきます シラー 」





   まあ、とっくの昔に倒産してしまった会社のささやかな思い出し笑いネタだ。




   



   がんばらなくてもいいでしょ、か。 たくろうちゃんももう63歳だ。