先日乗った、東京発鉾田行きのバスの中のことである。
あと30分もすれば終点という頃だ。
赤信号でバスが止ろうとする直前に、前から2列目に座っていた女性が突然動きだした。
わたしは後ろの席の方にいたので、一挙手一投足を見ていたわけではないのだが、
「ここの信号で降ろしてください」 と運転手に言っている。
停留所ではないので、運転手の答えは決まっている。
「決められたところでなければ止まれません。次の停留所までお願いします。」 だ。
すると、その女性は、
「ここで降りてあっちの方へいきたい。」
「次の停留所まで行ったら遠くなってしまう。」
「ちょっとは気を利かせて降ろしてくれたっていいじゃないか。」
「3人しか乗ってないんだし。」
というようなことを矢継ぎ早に言っている。
運転手は、
「ルールなので仕方がないのです。」 の一点張りである。
運転しながらの言い合いなので、危ないことこの上ない。
そうこうするうちにバスは次の停留所に止まり、その女性は降りて行ったのだが、
降り際に、 「人権団体に訴えてやる。」 と言い残した。
これで一応収まったかと思いきや、
運転手が、 「ちょっとすみません。」 と言って、携帯電話で話しだした。
会社にお伺いを立てているようだ。
警察、とか言っている。
どうも降り際に、その女性が運転手に手を出したらしい。
それで運転手も腹に据えかねたのであろう。 しばし、会話が続いていた。
結局会社にうまく収められちゃったのであろう、
運転手の、 「どうもすみませんでした。」 の一言で、通常運転に戻った。
いやはや、いろんなひとがいるもんだ。