$映画批評_気ままにツラツラと・・-ブラック・ブレッド

今年は、梅雨だけど雨が、あんまり降ってないような気がしてます。
なので天気予報も見ずに朝から出かけてしまい、傘を買うハメになりました。
今日は、1日なので映画の日です。
映画の日に新作を観ると、混んでいるので、映画館に行くのが
おっくうでしたが、今日は先週から公開されている
小規模公開中の2本なら大丈夫だろうと考えて
銀座に出向いて各1,000円で楽しんできました。
1本目は『ブラック・ブレッド』です。

あらすじ:
1940年代のスペイン・カタルーニャ。
ある日、少年アンドレウ(フラセスク・クルメ)は
鬱蒼とした森の中で、馬車ごと崖から転落して息絶える親子の姿を目撃する。
やがて警察は殺人事件と断定、左翼運動に関わって、村のつまはじき者と
なっていたアンドレウの父親ファリオル(ロジェール・カサマジョール)に
疑いの目を向ける。身の危険を悟ったファリオルは捕まる前に姿を消し
アンドレウは祖母の家に身を寄せることに。

その家には、事故で左手首から先を失った
従妹のヌリア(マリナ・コマス)もいた。
そしてアンドレウは、彼女と一緒に新しい小学校に通うのだったが…

感想:
スペイン映画で、スペイン映画界最高の賞であるゴヤ賞で
9部門で受賞するなど、世界各国の映画賞に輝いた作品です。

内戦後のスペインでが舞台の物語で、戦争の傷跡と内戦による
国の分断を色濃く残している時代です。
タイトルとなっている”ブラック・ブレッド”とは
そのまま黒いパンという意味で、当時のスペインでは
パンの色を階級別に分けていて、貧しい者達は黒パンが食され
裕福な者は、白パンを食していました。

スペイン内戦で敗者側を支持していたカタルーニャが舞台なので
貧しい村で暮らす主人公一家の境遇が計りしれます。
本作のポイントは、両親の嘘です。
親に嘘をつかれた事が無い子供なんて、この世に存在しないでしょうが
この物語では、頭が良くて思春期の主人公にとって
その嘘は、自分を思っての嘘ではなく、親という最も尊敬すべき存在が
尊敬に値しない過去を抱えていた事を意味していたのです。

でも、悲しいかな、父は良き夫、良き親でありたいという理想を
持っていながら、生きる為に仕方なく選んだ行為の代償を払わされるのです。
辛い物語ではありますが、救いは息子への愛情は本物だった事です。
だからこそ、悲しく切ないです。人間とは…と考えてしまう作品です。
(点数:70点)

原題:PA NEGRE
製作年度:2010年
製作国:スペイン
監督:アウグスティ・ビリャロンガ
出演:フランセス・クルメ、マリナ・コマス、ノラ・ナバス
セルジ・ロペス 、ロジェール・カサマジョール
(公開中)