『夜空の大空港』 | 銀幕と緑のピッチとインクの匂い

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映画は洋画、それも古い映画が大好き。本は外国文学。ドラマは洋物。サッカーは海外チームと代表の応援、という思いっきり偏った嗜好で、天の邪鬼に感想を語ります。但し、脱線話題多し。

 

 

THE DOOMSDAY FLIGHT

1966年アメリカテレビムービー カラー 100分

監督 ウィリアム・グレアム

出演 ジャック・ロード ヴァン・ジョンソン エドモンド・オブライエン キャサリン・クロフォード ジョン・サクソン マイケル・サラザン エドワード・アスナー グレッグ・モリス

 

ロサンゼルス発ニューヨーク行きの航空機に、爆弾を仕掛けたという予告電話があった。アンダーソン機長は、乗員に爆弾を調べさせる。FBIのフランク・トンプソン捜査官(ジャック・ロード)が、陣頭指揮を執ることになる。犯人からの条件は、飛行機を着陸させるな、ということだった。高度4000フィートまで降下すると爆発する、と犯人は脅す。そして、お金の要求をする。乗員乗客100人の命はどうなるのか。トンプソンは、爆破を阻止することが出来るのか……。

 

 

凄く面白い作品でした。60年代後半になると、アメリカのTVムービーでは、航空パニックものが多くつくられるようになります。その先駆け的な作品が、この作品です。面白いはずです。脚本は、『トワイライト・ゾーン』のロッド・サーリングです。なんだ、『スピード』と同じネタじゃないか、なんて言わないでくださいね。この作品のほうが、ずっと前。最初に出たアイデアなのですから。『スピード』は、陸上をバスが暴走するアクションに迫力がありますが、こちらは、空を飛行機が飛んでいるだけなので、アクション面では劣るかもしれません。しかし、人間描写がきちんとなされています。

 

まず、主役のトンプソン捜査官。大事件にも関わらず、顔色も変えずにてきぱきと物事にあたっていきます。犯人との交渉も余念がありません。演じたジャック・ロードは、あの大人気ドラマで、66年から80年まで続いた『ハワイ5-0』の主人公スティーヴ・マクギャレットです。リメイクのほうを見ていますが、凄く面白いので、本家が見たくてたまりません。これだけロングランして、さらに、リメイクが作られるということは、相当な人気があったドラマなのでしょう。

 

機長は、ヴァン・ジョンソン。『ケイン号の叛乱』の副艦長で有名ですね。落ち着いた機長を演じています。

 

犯人の男エドモンド・オブライエンは、さすがの上手さ。憎々しい人物を巧みに演じています。

 

それから、ノイローゼに罹っているかのような軍人マイケル・サラザンも良いですね。

 

アメリカのTVムービーをみくびってはいけません。映画よりお金をかけていたり、映画よりずっと良質な作品が沢山あります。この作品も、またそうした一本です。

 

ラストがGood!

 

生きている間に是非見て頂きたい一本です。

 

トレイラーです。