ワールドカップの立ち位置 | 銀幕と緑のピッチとインクの匂い

銀幕と緑のピッチとインクの匂い

映画は洋画、それも古い映画が大好き。本は外国文学。ドラマは洋物。サッカーは海外チームと代表の応援、という思いっきり偏った嗜好で、天の邪鬼に感想を語ります。但し、脱線話題多し。

時は流れて、すっかりサッカー狂に変わってしまった私ですが、やはりバレーボールのワールドカップが放映されていると、見てしまいます。だから、最近は、ちょっと頭がバレー寄り。



バレーボールでは、オリンピック、ワールドカップ、世界選手権の三大会がトップです。これら全てに勝ったチームは、3冠と言われ、カーチ・キライの頃のアメリカ男子(ソウル五輪でも勝ったので4冠でした)など成し遂げたチームは、片手にも満たない。大変な栄誉なんです。



ワールドカップは、77年に日本で開催された大会が大成功で、それ以来日本での恒久開催となりました。だから、毎回日本で開催されているわけです。おかげで、私も、何度も観に行く事が出来ました。



ワールドカップは、オリンピックの翌年に開かれていました。84年のロサンゼルスオリンピックで、アメリカ男子チームが優勝しましたが、その頃最も強いと言われていた旧ソ連チームが出場しなかったからだ、とずっと言われ続けていました。翌年のワールドカップこそ、アメリカとソ連にとって、どちらが強いか証明する大会になったのです。私は、残念ながらチケットが取れず、現地に行けなかったのですが、TV録画で見ました。3時間を超える熱戦。史上最も激しい試合のひとつと言っても良かったでしょう。そして、アメリカが勝ちました。ワールドカップは、それだけ最高峰の戦いだったのです。



いつ頃からか、ワールドカップはオリンピックの前年に行われるようになりました。上位3チームが、オリンピックの出場権を得られるようになったのです。



しかし、今年のワールドカップには違和感を覚えます。何故、9月という早い時期から開催されたのか。国際バレーボールの時期は、11月と昔から決まっていて、11月は、私には忙しい月でした。まだ暑い日本では、外国の選手は調整しきれないのではないでしょうか。



それから、セルビア女子やイタリア男子のように、若手主体の1.5軍で来るチームが出てきたこと。彼らは、大陸予選で既にオリンピックの出場資格を取っています。だからといって、ワールドカップは、選手、監督には喉から手が出るほど欲しいタイトルだった筈。それが、今年はその価値が下がってしまっている気がします。



サッカーと違い、バレーでは、一番のタイトルは、やはりオリンピックです。でも、3冠というとてつもない栄光が目指せるのも、またバレーなんです。



大陸予選の時期が早すぎるのではないでしょうか。ワールドカップが終わった後に、すべきなのではないでしょうか。どの国にも最高のメンバーで来てもらい、最高のプレーを見せて貰いたい私には、ちょっと残念な気持ちがあります。