『愛と追憶の日々』 | 銀幕と緑のピッチとインクの匂い

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映画は洋画、それも古い映画が大好き。本は外国文学。ドラマは洋物。サッカーは海外チームと代表の応援、という思いっきり偏った嗜好で、天の邪鬼に感想を語ります。但し、脱線話題多し。

 

 

 

 

明日の13時からのBSプレミアムにて放映されます。素晴らしい作品です。

 

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アメリカ映画 カラー 132分

監督 ジェームズ・L・ブルックス

出演 シャーリー・マクレーン デブラ・ウィンガー ジャック・ニコルソン ジョン・リスゴー ジェフ・ダニエルズ

リサ・ハート・キャロル ダニー・デヴィート

 

オーロラは、夫を早く亡くしたものの、娘のエマ(デブラ・ウィンガー)と共に手を取り合って生きてきた。やがて、家の隣に元宇宙飛行士のギャレット(ジャック・ニコルソン)が引っ越してくる。オーロラは、彼のことを嫌っていたものの、段々心を引かれていく。社交的なオーロラは、男友達を集めてよく食事会をした。大人になったエマは、若くしてフラップ(ジェフ・ダニエルズ)と結婚する。しばらくは近くにいたが、フラップの仕事の都合で、遠い街に転勤することになる。初めて遠く離れる親子……。ふたりの心に去来するのは……。

 

 

1983年のアカデミー作品賞受賞作で、母と娘の30余年を描いた感動ドラマです。主役のオーロラを演じるシャーリー・マクレーンの、ちょっと弾けた母親の演技が素晴らしく、彼女はこの作品で念願のアカデミー主演賞を受賞しました。他にも、監督賞、脚色賞、助演男優賞を受賞し、アカデミー賞以外にもゴールデングローブ賞、ニューヨーク映画批評家協会賞などを独占した、紛れもない名作です。

 

夫を亡くしたオーロラとエマの絆は、強いものです。ただ、性格は正反対。若く見せようとして、さらに男友達もいっぱいるオーロラに対して、エマは若いうちに結婚してしまいます。そして、3人の子育てに奮闘。一人目の子供だけだった時は、同じ街にいたのですが、二人目からは転勤で遠い街に行ってしまい、オーロラの心は穏やかではありません。そして、その街では、良くないことが待ち受けていたのです。

 

エマが病気で苦しんでいる時、オーロラがナースステーションに行って、「痛みを取ってやって!!」と叫ぶシーンが印象に残ります。これが母親なんだな、と。

 

エマとパッツィ(リサ・ハート・キャロル)の、女同士の友情も良かったですね。あんな親友がいたら、いつだって、何だって(母に話せないことも)話せます。

 

夫のフラップを演じたジェフ・ダニエルズは、まだ若くてびっくりします。それ故、ちょっと頼りない感も。今回は、それが活きているのですが。

 

元宇宙飛行士のギャレットは、オーロラに迫りますが、そのたびにオーロラにつっけんどんにされます。でも、段々……。

 

とにかく、登場人物全員が素晴らしい演技をしているのです。だから、感動が倍になります。

 

母と娘の生き方は対照的で、物語の流れも悲劇的なのですが、あくまでお涙頂戴ものにならないところが本作の良いところだと思います。

 

音楽もとても記憶に残ります。この音楽が全編に流れて、温かいけれど、さらりとした気持にさせてくれます。

 

生きているうちに絶対見たい映画のひとつです。是非、どうぞ。

 

 

とても好きなメインテーマです。