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wonda007 さんと、そのブログ友達さんとコラボしている、角川映画祭第2弾に参加させていただいております。本来は、10月下旬に掲載予定でしたが、引っ越しのために、伸ばしていただいておりました。
1980年日本映画 カラー 158分
監督 深作欣二
出演 草刈正雄 ボー・スベンソン ジョージ・ケネディ チャック・コナーズ 渡瀬恒彦 夏木勲 ロバート・ボーン グレン・フォード 多岐川裕美 オリヴィア・ハッセー 緒形拳 千葉真一 森田健作 ヘンリー・シルヴァ エドワード・ジェームズ・オルモス
1982年、東ドイツの研究所から猛毒ウイルスMM-88が盗まれた。0度を超えると、猛毒を発するというウィルスである。ところが、盗み出したスパイの乗った飛行機がアルプス山中で事故に遭い、ウィルスが散布されてしまう。ウィルスは猛威を振るい、遂には南極に残る数百人だけが残される。生存者のひとり地震研究者吉住(草刈正雄)は、さらに大きな危機が近づいていることに気づくのだが……。
原作は、日本SF界の巨匠小松左京の同名小説。製作費22億円、構想5年、製作期間3年を費やした超大作です。南極ロケを敢行し、ハリウッドスターを多数起用し、主題歌はジャニス・イアン。何から何まで豪華です。
舞台となるのは、1982年からですから、近未来を描いたSFです。殺人ウィルスに世界が侵されて、人々が次々と犠牲になっていく、という世界の終末を描いた作品。世界に救いがあるのか、というテーマが描かれていきます。
その年、米ソの間に核制限条約が結ばれます。核の恐怖が当面は遠ざかった時代。しかし、ミサイルでは対処できない中で、新しく開発された細菌兵器があり、それが世界にばらまかれてしまうのです。まずはイタリアで流行り、イタリア風邪と言われるようになります。かつてのスペイン風邪を思い出させます。世界各地で沢山の犠牲者が出て、ワクチンを求めて暴動も起きます。トラックで運ばれてくる死体の山を火炎放射器で焼いてしまうシーンは、とにかく恐ろしい。戦時中を思わせるシーンです。
主演は、人気絶頂だった草刈正雄。私も大好きでした。映画館には行けなかったのですが、当時の熱狂ぶりは覚えているし、TVで放映された時はすぐに見ました。草刈正雄はやっぱり格好良かったです。そして、彼ほどの身長があれば、外国人の中に入っても見劣りしないのですよね。ただし、共演がジョージ・ケネディやボー・スベンソン、チャック・コナーズなど、190cmを超える巨漢ばかりゆえに、さすがの草刈正雄も小さく見えてしまうのは残念でした。
日本側もオールスターキャストで固めています。南極昭和基地のボス、夏木(夏八木)勲や、妻子を残してやってきた渡瀬恒彦など。森田健作などの若手もいます。そして、まだ若い多岐川裕美の美しいこと。
一方、ハリウッド側もスターを揃えています。最初は草刈正雄に批判的なボー・スベンソン。南極基地のボスになるジョージ・ケネディは、エアポートシリーズや『暴力脱獄』などで、ご存じのスターでしょう。『大いなる西部』などのチャック・コナーズは、やはり私の好きな俳優です。アメリカ人なのに、何故かイギリス潜水艦の艦長を演じています。『荒野の七人』や『ナポレオン・ソロ』のロバート・ボーン。数々の西部劇に主演し、『スーパーマン』では養父を演じたグレン・フォード。草刈正雄を慕うオリビア・ハッセー。とまあ、よくこれだけのハリウッドスターを集めたと思います。チリ人役で、新しいギャラクティカの艦長エドワード・ジェームズ・オルモスも出演しています。
個人的には、アメリカ大統領執務室のシーンが好きです。核を撃ちたくて仕方ない将軍を、追い返すシーン。そして、大統領グレン・フォードと上院議員ロバート・ボーンのシーン。ロバート・ボーンは、この映画の良心を象徴しているように思います。「歴史を忘れた者だけが過ちを繰り返す」。これは、彼の言葉です。
ただ、女性に対する扱いだけは酷い。同じ女性として、大きな怒りを覚えます。
パンデミック、細菌兵器、核ミサイル、と冷戦当時も恐怖だったのですが、21世紀になった今、さらにその恐怖は増しています。当時よりも、今見ると、より恐ろしい映画。日本映画が世界に放った超巨大な映画です。人はいつまで、「ライフイズワンダフル」と言い続けることが出来るのでしょうか。
トレイラーです。