『ファイナル・カウントダウン』 | 銀幕と緑のピッチとインクの匂い

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映画は洋画、それも古い映画が大好き。本は外国文学。ドラマは洋物。サッカーは海外チームと代表の応援、という思いっきり偏った嗜好で、天の邪鬼に感想を語ります。但し、脱線話題多し。

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THE FINAL COUNTDOWN
1980年アメリカ映画 カラー 103分
監督 ドン・テイラー
出演 カーク・ダグラス マーティン・シーン ジェームズ・ファレンティノ キャサリン・ロス ロン・オニール チャールズ・ダーニング



 1980年、アメリカの原子力空母ニミッツは、艦長マシュー・イーランド(カーク・ダグラス)のもと、航行していた。そこに、空母を造った造船会社と国防省の要請で、システム分析のエキスパート、ラスキー(マーティン・シーン)が調査にやってきて、空母に乗り込む。ラスキーは隣の部屋にいる飛行長リチャード・T・オーウェンス中佐(ジェームズ・ファレンティノ)と知り合いになる。彼は、真珠湾攻撃の資料を集め、本を書いていた。しかし、ニミッツは、突然に嵐に巻き込まれて、1941年12月7日のハワイ沖にタイムスリップしてしまう。真珠湾攻撃の直前である。今なら攻撃を阻止できる。しかし、そうすれば歴史は変わってしまう……。乗組員たちの苦悩が募る……。



 懐かしいです。観に行かなかったのですが、当時は鳴物入りで上映されたような気がします。私はテレビで見たのですが、とても気に入りました。音楽も勇壮だったし、タイムスリップものSF映画としては、かなり面白いと思います。


 突然の嵐の後に、起こった出来事が、艦長はじめ乗組員には理解できません。ラジオからは古いコメディ番組が流れ、古い野球の試合中継が流れる。「今日は、一日中懐かしい番組の日か?」などという疑問が飛び交います。


 そんな中で、ハワイ沖にいたサミュエル・チャップマン上院議員(チャールズ・ダーニング)の乗ったヨットが日本軍に攻撃されて、炎上します。乗組員たちは殺され、上院議員と秘書のローレル・スコット(キャサリン・ロス)と犬だけが助け上げられます。チャップマン上院議員は、次期副大統領と目されている人物であるということがわかり、ますます混乱が酷くなります。


 上院議員のヨットを襲撃したゼロ戦を、最新鋭のトムキャットが追いかけるシーンなどは、迫力があります。


 原子力空母が舞台ですが、戦争シーンはほとんどなく、この映画のテーマは、あくまでタイムパラドックスにあります。アメリカ軍人が、真珠湾攻撃前日のハワイにタイムスリップしたら、放っておけないのは当然です。しかし、それはその後の歴史を変えてしまうことになります。現に、記録では、開戦前に行方不明になっている上院議員を助けてしまっており、着実に歴史を変えつつあるのです。果たして、どうしたらいいのか。


 出演陣は、とても豪華。カーク・ダグラスは、それなりの年になりましたが、マーティン・シーンは若い。キャサリン・ロスは綺麗な大人の女性になりました。ジェームズ・ファレンティノも好演ですし、恰幅のいいチャールズ・ダーニングの上院議員らしいうるさ型演技もさすがです。

 
 真珠湾攻撃が始まるまで、時間はありません。果たしてどうしたらいいのか。

 短い上映時間にまとめたことで、話がスピーディに進み、ダレるところがありません。

 戦争映画というより、あくまでタイムスリップSF。

 ラストシーンが、ぐっと来ます。


トレイラーです。