フォレスト・ガンプ 一期一会 [Blu-ray]/パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン

¥2,571
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FORREST GUMP
1994年アメリカ映画 パラマウント カラー 142分
監督 ロバート・ゼメキス
出演 トム・ハンクス サリー・フィールド ロビン・ライト ゲイリー・シニーズ ミケルティ・ウィリアムソン



 1940年代、アラバマで生まれたフォレスト・ガンプ(トム・ハンクス)は、知能指数は人より低いが、母(サリー・フィールド)の愛情を一身に受け、優しく素直に成長していく。しかし、周囲の子供たちは、背骨が曲がっているために歩くための矯正具を付けているガンプを、苛めるのだった。そんな中で、ただひとり友達になってくれたのがジェニー(ロビン・ライト)。いじめっ子たちに追いかけられるうちに、彼の走る能力は誰にも負けないことがわかるのだった……。


 
 知能指数や、矯正の必要な足など、人より多くのハンディを負って生まれてきたフォレスト・ガンプが、愛情を注いでくれた母の教えに従って、得意の足で人生を駆け抜けていく姿を通じて、戦後のアメリカ史を描いた作品です。


 アカデミー賞では、作品賞、主演男優賞、監督賞など多くの賞を獲得しています。また、CGを使って、ガンプと歴代大統領を対面させていくことでも、有名になりました。

 
 冒頭、白い羽がふわふわ舞い続けます。あちらに当たり、こちらに当たり、地面に落ちるかと思えばまた舞い上がる。果たして、この羽根はどこへ行くのか。この映画の象徴的なシーンであると思います。


 少年の頃に、両足に矯正具をつけ、知能指数が低いから普通学級は無理、と言われても、ガンプの母は、言い続けます。「お前は皆と同じ。何も違っていない」。


 しかし、他の子供たちはそうは思わない。苛められて追いかけられるうちに、いつしか彼を縛っていた矯正具が壊れ、彼は思いのままに疾走出来るようになるのです。この「走る」ということが、この映画の大きなモチーフになります。


 「ラン、ガンプ、ラン!」と言われれば、いきなりトップフォームで走り出す彼は、高校、大学、そして軍隊でも、ひたすら走って生きていきます。あの厳しい軍隊生活にも、何故か彼のピースはぴたりとはまり、敵からの猛攻撃を受ける中でも、彼は走り続けるのです。

 
 ガンプには、3人の心の支えがいました。一人目は勿論母親。二人目は、幼馴染のジェニー。そして、三人目は、軍隊に向かうバスの中で、たったひとり隣に座れよ、と言ってくれた人物
ベンジャミン・ブルー(ババ)です。彼は、エビ採り船の船長になることが夢なのです。厳しい行軍を続ける中、ふたりは親友となります。


 さらに、ガンプが派遣された隊の小隊長のダン・テイラー中尉(ゲイリー・シニーズ)に、ガンプは敬服してしまいます。自分たちは、良い小隊長に恵まれた、と信じ切るガンプ。このテイラー中尉を演じたゲイリー・シニーズが素晴らしかったです。ネタバレになるのであまり語れませんが、彼の中にあった死生観がひっくり返る、その時の感動。この映画のクライマックスのひとつだと思います。ゲイリー・シニーズは好きな俳優ですが、本当に上手い!


 トム・ハンクスは、変に肩を張ることのないごく自然な演技をしています。トム・ハンクスではなく、フォレスト・ガンプその者が歩き、話し、走っているのです。


 サリー・フィールドが上手いのは当然のこと。慈愛に満ちた母ではありますが、息子の為になることなら、一筋縄ではいかない気丈さを上手く演じています。


 一番時代の波に流されたジェニーには、色々思うところもありますが、言いますまい。


 人生はこんな風にはいかないよ、と確かに私も思います。でも、これはファンタジーでもあるのです。それでいて、アメリカ史をなぞっているために、当時の流行りの音楽がこれでもか、と流れてきます。そのひとつひとつを聞くたびに、胸がキュンとするのです。この世代を生きていない、あるいは覚えていない私でもそうなのですから、共に生きた方々には、どれほどの感動があるのでしょう。

  
「人生はチョコレートの箱みたい 食べるまで中に何が入っているかわからない」。ガンプの母親の言葉です。美味しいチョコレートに当たれば幸せ。まずいチョコレートに当たれば不幸せ。でも、次のチョコレートの中身はわからない。だから、人は生きていけるのでしょう。



トレイラーです。