バレーボール中継を考える | 銀幕と緑のピッチとインクの匂い

銀幕と緑のピッチとインクの匂い

映画は洋画、それも古い映画が大好き。本は外国文学。ドラマは洋物。サッカーは海外チームと代表の応援、という思いっきり偏った嗜好で、天の邪鬼に感想を語ります。但し、脱線話題多し。

 バレーボールのワールドグランプリの中継が行われています。今は移動期で、確か次はソウルラウンドとか。


 バレーボール中継の騒がしさには多少は慣れました。でも、時にやっぱりその騒々しさには辟易します。以前も、バレーボール会場は選手の名を叫ぶ女の子たちの黄色い声や、選手めがけて走る民族大移動で騒がしかったものです。でも、いつしかそうしたファンの自主的な?騒がしさから、主宰者側が意図する騒がしさへと変わっていった気がします。会場で鳴り響く音楽、盛り上げるDJ、観客が持っている鳴り物。


 そしてさらに競技はショーアップ化されていきました。登場する選手を一人一人ライトで照らす演出。選手の紹介。でも、肝心の試合を楽しむ情報提供がおざなりにされているように感じられるのです。日本の選手に対しては紹介も丁寧です。名前だけでなく、何らかのキャッチフレーズまでつけて紹介してくれます。ところが、テレビでは対戦相手の名前は知らせてくれなくなってしまいました。この前のブラジル戦でも、ブラジルは若手メンバーで来日していて、知っている顔もいない状況。監督も変わっています。相手の名前も顔も身長もわからない状況で、ひたすら試合は進行していくのです。何故でしょう。はるばる日本まで対戦しに来た相手の名前などを紹介することは礼儀なのではないでしょうか。視聴者にしても、選手の名前と顔を覚える良い機会でもあります。相手国の選手はあまり画面にも映りませんし、誰がいるのか知りたいというのは長年のバレーファンなら皆持っている思いではないでしょうか。来日した選手の中に知っている選手がいれば嬉しいものです。若手で登場した選手が、すっかり一人前になった姿を見た時は感慨を覚えます。さらに昔見ていたベテラン選手が戻ってきた時の嬉しさはまた格別なのです。


 どこの国も選手は世代交代を重ねて行きます。新しい選手が出てきた時、きちんと紹介されることによってファンはその選手の情報をインプットしていくでしょう。情報提供を怠ることは、今後の楽しみも奪うし、再会の喜びも奪いかねません。


 今回のワールドグランプリはどうか知りませんが、ワールドカップなどは国際映像として流されるわけです。自国応援モードは仕方ないにしても、もう少し公平な報道をして貰いたいものです。


 ちなみにいつも思うのですが、サッカー中継で、試合開始前にアイドルグループがピッチを歌い踊り、DJが会場で叫んでいたら、サポーターたちはどうするでしょうか?