QBMマウントのツアイスレンズ
オールドレンズで非常に人気があるレンズに1975年から販売されたヤシカコンタックスのカールツアイスレンズがあります。初期はドイツ製で途中から日本の富岡光学製になります。
これらヤシコンのレンズは独自の設計ではなく元ネタがあります。1970年にローライ社が出した35ミリ一眼レフSL35のためにカールツアイスが設計、製造した15ミリから200ミリのレンズ群がそれで、ローライ独自のHFT(High Fidelity Transfer)コーティングが施されていて、マウントも独自のQBM(クイックバヨネットマウント)です。初期は西ドイツ製のカールツアイスで、シンガポールに工場が移転してからはシンガポール製カールツアイスになります。シンガポール製の後期の鏡胴はヤシコンそっくりですので、こちらが流用されたと思われます。
QBMマウントはフォクトレンダーの一眼レフ、VSL1にも採用されていて全く同じドイツ製とシンガポール製のカールツアィスレンズがフォクトレンダーネームであります。これはツァイスイコンがカメラ事業から撤退する際に、イカレックスシリーズの最終機SL706の製造設備をフォクトレンダーの商標と共にローライに譲って、ローライSL35のツアイスレンズとフォクトレンダーVSL1のフォクトレンダーレンズが並行して販売されたためです。これらの中でプラナーとカラーウルトロンの50/1.8と50/1.4は、オールドレンズで人気の高いイカレックス用のM42レンズ、凹ウルトロン50/2を改良したものと言われています。ローライのツアイスレンズ、ヤシコンのツアイスレンズは共に優秀です。ローライのツアイスレンズの方が知名度、人気共に低く、まだ安価です。
フォクトレンダーVSL1にはM42マウントとQBMマウントのボディが存在しましたので、フォクトレンダーネームのツアイスレンズにはM42マウントのレンズも存在します。
後期にはローライSL35のレンズもフォクトレンダーのレンズも日本製になります。SL35のレンズはローナイナーという名称に統一され、フォクトレンダーは独自の名称が引き継がれますが同一のものです。これらの単焦点レンズはマミヤ製、ズームレンズはトキナー製とシグマ製だという事です。
近年、マミヤの35ミリ一眼レフ用M42マウントのマミヤセコールレンズのいくつかが富岡光学のOEMだったという事が分かってきました。なので、マミヤセコールに鏡胴までそっくりな後期QBMマウントのローライナーやフォクトレンダーレンズの一部も富岡光学のOEMだった可能性があります。カールツアイスの富岡光学への信頼度は相当高かったものと思われます。
Carl Zeiss Planer 50/1.4 HFT QBM mount Made in Germany.
Carl Zeiss Planer 50/1.4 HFT QBM mount Made in Singapore.
Voigtlander Color Ultron 55/1.4 AR QBM mount Made in Japan.