10円プロモーション | RR25

10円プロモーション

シャッター通りが増えているとはいえ、わたしの家の近所には商店街があって、魚、肉、クリーニングと生活に必要なものは一通りこの商店街でそろう。


当然よく利用していて、今日もその商店街で買い物をした。


いつも利用する肉屋で豚バラ肉を購入。


一人暮らしだから100gで購入することが多く、今日も100g購入しようとしたのだが、店員さん(夫婦で経営しているらしく、その奥さん)が「110gでいい?」と聞いてきた。


10gくらいいいかと、「いいですよ」と答えたのだが、同時に10gとはいえサービスしてくれるなんて良い店だな、と思った。


しかし、支払いはきっちり110g分の料金だったのだ。


10gだからたかだか10円ちょっとのことなのだが、なんだかすっきりしない買い物となってしまった。


サービスだと思ったのはわたしの勝手な判断であり、店側に値引きする義務は全くないのだが、こちらの要望とは違う分量を店側の都合で提案してきたのだから、わたしがサービスだと思うのはそれほどおかしなことだとは思わない。


もし、客側が、増えた分の料金を払うものと思っていたとしても、10g分をサービスしていたらとても気分がいいし、リピート客になる可能性も非常に高い。もしかすると近所に住む人に宣伝してくれるかもしれない。


たった10円ちょっとでものすごく効果的なプロモーションになりえたのに、それを放棄するどころか、たった10円ちょっとで客にもやもやした気分にさせてしまったのだ。


大型スーパーがそこかしこにでき、商店街の苦戦が伝えられるが、商店街には大型スーパーにはない、客との近距離でのやりとりがある。


それは金額で言えば上記のようなほんの10円ちょっとのことだ。


とても小さなことが気になってしまったが、放っておけば廃れかねない商店街もちょっとした工夫でその街に必要なものとなり得るのではないかと思ったお昼の買い物だった。