コンビニの脅威 | RR25

コンビニの脅威

某コンビニの店頭に、洗剤の広告ポスターが店頭に貼ってあった。


なぜそれが気になったかといえば、そればそのコンビニのPB商品の広告だったからだ。


コンビニのPB開発はもはや全く珍しくないのだが、これまではドリンクやアイスクリームといった食品での展開が目立っていたから、今回の洗剤の発売は、コンビニのPB開発がひとつ先のフェーズに移ったことをはっきりと示しているように思えた。


通常のPBがそうであるように、このコンビニのPBであるドリンクやアイスは他のメーカー品より数十円安いのであるが、今日目にした潜在については何と200円も違っていた(たしか198円と298円)。


これは製品の差が多少あっても普通はPBを手に取る価格だ。しかも価格は安いものの、品質・機能はしっかりしているように見える。


かつてのコンビニはその営業時間と品揃えで人気を得てきたが、昨今の飽和状態による売り上げの伸びの鈍化を補うべくPB開発による差別化を図ってきた。


全コンビニチェーンがPBを開発できるわけではなく、たとえ出来たとしても消費者がその商品を選ぶ明らかな強みがなければ差別化は厳しい。


商品力に関しては、メーカーはずっとその商品を開発・販売しているわけで、その技術力やブランド力はそう簡単には崩せない。仮にメーカーに負けない品質の商品を作ったとしてなかなか消費者は目を向けないだろう。


となるとメーカーヒントの差別化ポイントにもっともなりうるのは価格だ。


価格に関しては、商品を大量にさばけることがその優位性を確保しやすいことは明らかなので、当然最大手のチェーンがもっとも強力なPB開発企業となりうる。


最大手のチェーンには当然ブランド力もあるから、品質を疑う消費者は少なく、価格で目を引いて商品の認知を得ればあとは自然に売り上げ、シェアを伸ばしていくだろう(もちろん商品力がともなっての話になるが)。


今回のケースでは洗剤だが、今後コンビニに置かれる全ての商品(雑誌やDVDは難しいかもしれないが)がPB化していくのは必至だ。


PBの開発は先に述べたように全てのチェーンが出来るわけではないから、ますますトップチェーンの独走体制が強まっていくだろう。


すると今後予想される展開は、コンビニ(大手に限る)のスーパー化、ディスカウント店化である。


コンビニとスーパー・ディスカウント店を区別していた価格というステージにコンビニが乗り込んできたことで、スーパーの業態が問われてくるかもしれない。


コンビニとスーパーの違いが徐々に見えなくなっていく。


スーパーのほうが商品数が多いのは(現在のところ)確かだが、コンビニは巨大化によってカバーできる。


だから、理論上ではいずれコンビニが現在のスーパーに取って代わる可能性は十分にある。


ただ、コンビにはあの大きさであるからなんとなく落ち着くという、理論では説明しづらい部分がたぶんにあるので、結果的にスーパーの存在価値は小さくなりながらもあるポイントで共存していくような気がする。