CM過渡期
テレビやラジオ、ウェブTVのCMは一般的に番組の合間に15秒や30秒のものが流される。
CMを流す企業のターゲットが見ているであろう番組に広告を出稿するのであるが、そもそも視聴者が観たいのは番組そのものであり、CMではない。
話題になるようなCMは別として、CMは邪魔者扱いされることが多い。視聴者が観たい番組のいいところで挿入されるのが普通だから、邪魔だと感じるのも当然である。
広告を作る側としてはなんとかして商品の特徴を伝えつつ、視聴者に観てもらうかに苦心しているわけだが、ついにコンテンツそのものを広告にしてしまう、あるいは広告そのものをコンテンツにしてしまう映像が出た。
かつて資生堂がマキアージュのプロモーションとしてCM出演女優を多数起用したドラマを制作したが、それはあくまでドラマであり、従属的な扱いとしてマキアージュがあった。
しかし、今回見つけた「クオーク」の映像 はあくまでクオークのためのドラマだ。
ドラマの中にクオークの言葉は一言も出てこないし、クオークが作った映像であることを知らなければ何のことかわからない(ドラマとしてはそこそこおもしろい)。
しかし、クオークが作ったドラマであることを前提にみると、いいたいことが非常にわかるし、実によくできたドラマであると思える。
動画共有サイトはもはや一般的なインフラになりつつあるし、企業側はそういったサイトや、あるいは自社サイトを使ってこういう試みをますますやるようになるだろう。なによりコストがものすごく安いからだ。しかも、どれだけ見られているかがわかるからその効果も計りやすい。
ただ、その映像を見せるためのプロモーションが必要かもしれない。
今回のクオークの映像はたまたま見つけたのだが、企業サイト上にある限り何かのきっかけをつくって企業サイトに誘導する必要がある。
以前このブログで企業のCMを一覧できるサイトができるのでは、と予想したが、今回のクオークの映像を観て、その予想は以外に確度の高いものではないかと思った。