教育現場への企業人派遣
一般企業からの教師への門戸が拡大するようだ。
これは教育の質を上げる上で非常にいいことだと思う。
学力の低下が話題になり、ゆとり教育の廃止によってそれを解決しようとする動きがある。国語や数学などの学力を向上させるには単純に勉強時間を増やすことが問題の解決につながることは間違いない。
しかし、企業から派遣された人材が教育現場で、仕事の現場の様子を伝えることで、それら一般科目を学ぶモチベーションはきっとあがるだろう。
例えば銀行員が小学校や中学校で授業をしたとすると、それまで漠然と数式覚えていた数式が、どのように使われるかがはっきり見えてくる。さらにもっと高度な数学理論への興味もわきやすくなるかもしれない。また、商社の社員による授業では貿易の話をすることで社会や英語を学ぶことの重要性が伝えられるだろう。
これは一般社会で働いたことのない教師には絶対にできないことだ。
わたしの小学校から高校までを振り返ると、社会で働くひとの話はほとんど聞いたことがなかった。社会化見学のような形で工場などに行った覚えはあるが、遠足の類としか認識していなかったように思う。
学力向上の議論も大いに必要だが、学力がなぜ必要とされるのかをもっと議論してもいいように思う。
会社には当然上司と部下の関係があり、できる上司は教育も上手だ。
教育上手が誰でも大学で教職課程を履修しているわけでは当然ない。
どんどん児童や生徒に社会人と接する機会を与えるべきだ。
親としても、子供から「テストで100点取ったよ」といわれるより「○○で採れる~を輸入したら儲かるんじゃないかな」なんていわれたら頼もしいではないか。それが子供らしいとかないとかの議論ではもはやない。なんのための教育かを考えればそれはむしろ自然なことなのではないだろうか。