情報の切り売りが招く混乱
先の女性蔑視発言はいまだおさまらず、特に女性からの非難はすさまじい。自分を「機械」とか「装置」とか言われれば怒るのも当然だろう。
マスコミは相変わらずこういったニュースを伝えるときは問題部分しか放送しない。そしてその発言を徹底的にたたく。野党議員も発言の問題部分だけを集中攻撃だ。
だから一般のひともそこだけに注目し、それに対しての感情を持つことになる。
しかし、大臣はこの一言を発したわけでなく、その前後の文脈の一部としてこの発言を捉えなければならない。
発言の全体から、彼が言いたかったのは「女性一人で産める子供の数は決まっているから、少子化を食い止めるには、一人ひとりの女性にがんばってもらうしかない」ということのように思う。
これを伝える比喩の一部として先の問題発言があるのだ。
確かに今回の比喩はほめられたものではないが、問題の本質は違う部分にあるのではないか。
それは大臣が「女性ががんばれば少子化が防げる」と考えていることだ。
子供を産むには当然パートナーが必要であり、さらに産んだ後には経済的・環境的なものも重要となる。そこを同解決していくかが彼の仕事であり、国会で審議すべき課題である。
それなのに実際は問題の比喩を過剰に問題視し、国会を放棄するまでになった。
女性を機械に例えてしまう大臣の資質は問われるべきであるが、問題の本質は見失ってはならない。
自民党も、これだけ彼の発言が問題になっているにもかかわらずウェブサイトに全発言を載せるなどの対応をしていない。これでは彼の発言はまったく間違っていたと党が考えていることになり、大臣を辞職させないことに筋が通らない。
テレビはもちろんネット上でもかなりの意見がこの問題にはあがっている。だからこそウェブサイトを有効に使っていくべきだと思うのだが。