転職回数の考え方 | RR25

転職回数の考え方

最近は第二新卒という言葉も一般化しつつあり、新卒で入社した企業を3年以内で退職することに対する悪いイメージは以前に比べれば小さい。


また、人材紹介会社の隆盛を見ると、転職市場を扱うビジネスは非常にうまみがあるようで、ひいては転職希望者が社会にはうようよいるということになる。


最初に入社した企業で定年を迎えることを当たり前としていた時代の人たちからすれば今の状況はにわかには信じられないかもしれない。


転職する際に、採用する側が気にする項目のひとつとして、勤続年数がある。


通常3年を一区切りとし、それ以下だと何か問題があるのでは、と考える企業も少なくないようだ。第二新卒ならまだしも2回目、3回目の転職をしようとして、それまでの職場での勤続年数が1,2年の場合はきちんとした説明が必要となる。


だが、一概に勤続年数を問題視するのは間違いだ。


仮にある業界に新卒で入社し、3年以内に全く別の業界に転職したとする。そしてまた3年以内に別の業種に転職するケースであれば、それはしかるべき理由がなければならないと思う。この場合は単に仕事への不満が原因で転職をしていると考えられるからだ。


しかし、同様の勤続年数であっても、同業界への転職の場合、先に挙げたケースと同様に考えてはならない。


最近は少ないのかもしれないが、大企業では、1、2年でさまざまな部署を経験させるところもあるから、例えば今年は企画、来年は人事というように、毎年のように異なる業務を担当することになる。同一会社内とはいえ、これはいわば異業種への転職を繰り返すことと大差はない。


しかしこの場合、履歴書上では同一企業に勤務していることになるから、紙面上は非常にきれいだ。


一方で、転職を繰り返しながらも同一業界でキャリアを積んでいる場合、その業界でのキャリアを着実に積んでいるにもかかわらず、書類上では転職回数が多いということで、キズモノの履歴書になってしまう。


一般にはキズモノの履歴書であれ、後者のビジネスマンは(特に犯罪などの問題がなければ)少なくとも自らの意思で会社をかえてきたわけで、自らの意思なく会社の言うがまま異動してきたビジネスマンよりも仕事に対する意識は高いように思う。


もちろん、前者のビジネスマンには自らの意思で異動した人もいるだろうし、後者には業界は好きでも会社のちょっとしたところが気に入らず退職を繰り返した人もいるかもしれない。


しかし、書類上の勤続年数を画一的に評価する制度は大いに問題ありだ。


今後(もしくはすでに)そういった評価の仕方をする企業の発展は見込めない。


「3年も待てない」若者はもう普通なのだ。