「いまさら」のダイエット特集捏造批判 | RR25

「いまさら」のダイエット特集捏造批判

テレビ番組で特集されたダイエット特集の内容が捏造されていたことに対する批判がすさまじい。テレビ局には1万件を超える苦情が集まっているという。


信頼していたメディアに裏切られた恨みはわからなくもないが、そもそもこれまで放送されていた数多くのダイエット特集は果たして効果のあるものだったのか。


今回問題となった番組以外にも、ダイエットについて特集した番組は数知れない。その数の多さがそれぞれのダイエット方法の効果のなさを表しているように思う。ひとつでも効果的な方法があれば次から次への新たなダイエット方法が紹介されるはずがないからだ。


昨今のメタボリック症候群への危機意識の高まりを受け、女性だけでなく男性もダイエットに関心を持つ人が少なくない。そしてそういった人たちの多くが「楽して」やせるという情報に非常に敏感だ。


~を飲むだけ、~を加えるだけ、など苦労せずにやせると聞けばとりあえず飛びつく。そしてすぐ飽きる、あるいは効果がでないためやめる。その繰り返しだ。


これまでのダイエット法は効果がなくともその理論は間違ってないはずだから、ダイエット失敗の原因は自分にあると思っていたのだろう。ところが今回の問題ではその理論が捏造されていたわけだから怒りの矛先がテレビ局に向いた。


おそらく問題が発覚せずとも今回のダイエット食品ブームはすぎ終わり、また何ヶ月もたてば新たなダイエット法が出て、またちょっとしたブームとなっていた可能性が高い。


食品に限らず、腹筋を鍛える機械、あるいはウエストを細くするベルトなどいずれも「楽して」効果を実感できそうなものは次から次へと世に出てきては消えていく。


「運動すればやせる」という小学生でも知っている非常に当たり前のダイエット法があるにも関わらず、少しでも楽して、しかも過すぐに効果を求める世間に応える形でメディアや企業は次から次へと情報や商品を世に出していく。


今回のダイエット食品番組の捏造を批判するなら、これまで紹介された食品や商品についても調べてみてはどうか。いずれも捏造とはいえないまでも効果があった人のほうが少ないダイエット法のはずだ。


今回の捏造問題をきっかけに、メディアや企業の薄っぺらさ、消費者の浅はかさがはっきりと浮かび上がった。


楽して得られるものなど何もないと言うことだ。