uniqloのCMに感じる実感のなさ | RR25

uniqloのCMに感じる実感のなさ

ユニクロのCMをよく目にする。

体育館のような場所にユニクロの服を並べ、タレントがそれを自由に組み合わせる様子を映しているあれだ。


ユニクロのCMが話題になったのは山崎まさよしや天本英世を起用して自分のスタイルを語ってもらうものが最初だと思う。その後役者やミュージシャンなど多くの有名人を使うとともに無音CMなど斬新なCMを残している。


先にあげたスタイルを語る広告はフリースの広告だったかと思うが、きちんと広告として機能したのはこれだけのように思う。フリースのカラーの幅広さと人としての生き方、考え方の幅広さがうまくリンクし、また登場する有名人たちもそのキャラクターから、言葉に重みがあった。


しかし、その他のCMには妙な違和感を感じていた。登場するタレントたちはいずれもそれぞれの分野で一流と呼ばれる人たちで、確かに印象には残る。だいぶ前のCMだと思うが藤原紀香や矢沢栄吉なども出演したことを覚えているのがその証拠だ。


印象には残るものの、商品と登場人物たちの間に関連性はまるで見えない。伝わってくるのはこんな有名人もユニクロを宣伝していますよ(好きで着ている感じではない)というメッセージのみ。フリースのCMのような、消費者に訴える感情がそこにはなかった。


現在放送されるCMにも同様の違和感を覚える。


おそらく伝えようとしているのは商品のラインナップの幅広さとこれまでの商品よりずっとデザインコンシャスだということだろうが、出演しているタレントと商品がまったくリンクしていない。どれだけ「かっこいい」とか「いっぱいあるね」とタレントが語ったところで、その場限りのセリフにしか聞こえない。


タレントを使わないか、タレントを使うのであれば知名度のあまり高くない、もっと商品に視聴者の目がいくような人選をすべきだったと思う。


CMはその商品の特徴と同時に商品・企業の持つ世界観までも表す。


今ユニクロから伝わるのは「虎の威を借る~」という姿勢。かつてのCMがすばらしかっただけに、今後のユニクロのCMには大いに期待している。