働き働き、働いて、一日ずーっと、働いて、夜になっても働いて、寝静まった夜に、チャリンコで帰る。

まっくらな道はよく見えず、右も左も、よく見えず。100均で買った懐中電灯じゃ、闇夜を相手に喧嘩も出来ぬ。

自分の部屋なのにためらって、それでもドアをあけました。何にも無い、明日へ続くドア。まっくらな部屋に、帰ったよ。

何にも無い、窓の外、とびきり輝く、一つっきりの星。何にも無いのはお互い様と、輝く星も、言ってるみたい。

何にも無いんだよ。

何にも無いんだよ。

何にも

無いんだよナー、

もともと、何にも無いんだよ。


ところがところが輝く星は、俺のところまで、降りてきて、

「何にも無いわきゃ、ないだろう。胸に手を当てて良く考えろ」

輝く星が、降りてきたもんだから、明るすぎて目もくらみ、見えるものといったら極彩色の、頭の中の、思い出ばかり。

何かがあったんだよ。

何かがあったんだよ。

何かが

あったんだよナー、

ちょっと忘れていた

だけなんだよナー。



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