さようなら。この夜の冷え込みは、いよいよ君が去ってしまったことを俺に知らせるよ。目の前にはオリオン座が居て、夜に蝉は鳴かなくなったし、遠くに貨物列車の乾いた音が聞こえる。君のふところで、俺は肌を焼く女どもを眺めながらビールでも飲むつもりだった。歳を重ねるごと、君と疎遠になる様な気がするけど、俺は君のことを家族だと思っているんだから、君も俺を家族だと思って、早く戻ってきてほしい。君が居ないと、頭がおかしくなりそうだ。でなければ俺が君に会いに行くよ。全てを投げうってでも。