浜#289]令和六年六月から行われる定額減税の効果検証に関する質問主意書 | NHKから国民を守る党(質問主意書、などなど。。。)

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第213回国会(常会) 質問主意書 質問第一六一号
令和六年五月三十一日 浜田 聡      参議院議長 尾辻 秀久 殿

令和六年六月から行われる定額減税の効果検証に関する質問主意書

 令和五年の経済財政政策として、新たな経済に向けた給付金・定額減税一体措置に基づき、所得水準や世帯構成等に応じた各種給付金及び定額減税が政府において実施される(以下「令和五年経済財政政策」という。)。内閣府特命担当大臣名で公表された令和五年経済財政政策の説明資料には、「「簡素(わかりやすく事務負担が少ない)」「迅速(特に低所得の方々)」「適切(できるだけ公平に)」のバランス」との記載がある。他方、この定額減税を行うための事務コストが増大し、定額減税ではなく給付金にすべきだったとの意見も見られる。令和五年経済財政政策として令和六年六月より行われる定額減税(以下「定額減税」という。)について、以下質問する。

一)いわゆるバブル経済の終焉後となる平成二年以降、過去に政府が景気対策として実施した減税施策は様々あるものと承知しているが、過去に景気対策として実施した減税施策は効果検証されているか。されていればその検証結果を示されたい。
一について)お尋ねの「景気対策として実施した減税施策」の意味するところが必ずしも明らかではないが、経済動向は様々な要因が複合的に作用して変動することから、御指摘の「減税施策」による効果のみを取り出して、御指摘の「効果検証」を行うことは困難であると考えているため、これまで御指摘の「効果検証」を行ったことはない。なお、経済動向を総合的に分析した結果の一部として、特定の税制改正による影響等について言及する場合はあり、例えば、平成十年分の所得税及び平成十年度分の個人住民税に係る特別減税については、経済企画庁(当時)が平成十一年七月十六日の閣議に配布した「平成十一年度年次経済報告」において言及がある。

二)前記一のうち、令和五年経済財政政策を検討する段階で参考にした施策または効果検証はあるか。あればその詳細を示されたい。
二について)今般の定額減税の立案に当たって参考にした施策としては、例えば、平成十年分の所得税及び平成十年度分の個人住民税に係る特別減税がある。この特別減税の詳細については、例えば、減税額は、所得税については、本人について三万八千円及び控除対象配偶者又は扶養親族一人について一万九千円の合計額であり、個人住民税については、本人について一万七千円及び控除対象配偶者又は扶養親族一人について八千五百円の合計額であった。

三)令和五年経済財政政策では所得水準や世帯構成等に応じた各種給付金も予定されているが、これら給付金と同じように定額減税ではなく給付金として行う事は政策の検討段階において検討されたか。されたのであればその検討内容を示されたい。
三について)お尋ねの「これら給付金と同じように定額減税ではなく給付金として行う事」の意味するところが必ずしも明らかではないが、定額減税ではなく一律の給付金に係る事業を実施することについては、令和五年十二月十一日の参議院本会議において、岸田内閣総理大臣が「一律の給付金は、新型コロナのような国難というべき事態には必要ですが、そうでない状況のときにはお困りの方に限定して行うべきものであり、現在は新型コロナのときとは状況が異なると認識をしております。」と答弁しているとおりであり、それ以上の具体的な検討は行っていない。

四)定額減税実施において想定される費用便益分析は行われたか。行われたのであればその詳細を示されたい。
四について)お尋ねの「定額減税実施において想定される費用便益分析」の意味するところが必ずしも明らかではないが、今般の定額減税による減収見込額は約三・三兆円であり、今般の定額減税に伴う事務負担については、令和六年二月二十八日の衆議院財務金融委員会において、青木財務省主税局長が「定額減税の対応につきましては、・・・事務コストの試算は行っておりませんが、今般の定額減税及び給付金の実施に当たっては、企業や自治体を始めとする皆様方に一定の事務負担をお願いすることは事実でございます。」と答弁しているとおりである。また、今般の定額減税の効果については、同月二十日の同委員会において、鈴木財務大臣が「定額減税でありますが、これを実施することによりまして、国民所得の伸びが物価上昇を上回る状況をつくっていきたい、そのように考えておりますけれども、この点、政府経済見通しや民間エコノミストの見込みでは、令和六年度の賃金上昇率は物価上昇率にほぼ追いつく姿が描かれておりまして、さらに、これに定額減税等が加われば、今年、所得の増加が物価上昇を上回る状況をつくるという、政府が期待をしている効果を発現できるのではないかと考えているところであります。」と答弁しているとおりである。

五)定額減税実施における事務作業負担増加によって生じ得る経済的な悪影響や懸念については試算、想定または検討されたか。されたのであればその詳細を示されたい。また、令和五年経済財政政策の説明資料にある「簡素」とは、定額減税においてどのように配慮されたのか示されたい。
五について)前段のお尋ねについては、「定額減税実施における事務作業負担増加によって生じ得る経済的な悪影響や懸念については試算、想定または検討」の意味するところが必ずしも明らかではないが、令和六年三月二十一日の参議院財政金融委員会において、青木財務省主税局長が「今般の定額減税・・・の実施に当たりましては、企業や自治体を始めとする皆様に一定の事務負担をお願いするということは事実でございます。このため、企業や自治体の事務の実態や実施上の課題などをできるだけ把握しながら、企業や自治体が早期に準備に着手できるように、パンフレット、それからQアンドAなどを迅速に策定、公表するとともに、例えば、新規雇用者について前職、前の職での減税適用の有無の確認を不要とするなど、事務負担に配慮した制度設計を行っているところでございます。」と答弁しているとおりである。
 後段のお尋ねについては、「令和五年経済財政政策の説明資料にある「簡素」」の意味するところが必ずしも明らかではないが、例えば、令和五年十一月二日に閣議決定された「デフレ完全脱却のための総合経済対策」で示したとおり、定額減税の対象となる「納税者及び配偶者を含めた扶養家族一人につき、令和六年分の所得税三万円、令和六年度分の個人住民税一万円」という定額の減税を行うこととした。

六)一般論として減税は可処分所得を増加させ、消費を刺激するとされている。この消費刺激効果の大きさや実施により波及する経済的効果について、令和五年経済財政政策及び定額減税による効果検証を実施する予定はあるか。あるのであれば予定されている時期及びその具体的な方法を示されたい。  右質問する。
六について)お尋ねの「この消費刺激効果の大きさや実施により波及する経済的効果」及び「令和五年経済財政政策及び定額減税による効果検証」の意味するところが必ずしも明らかではないが、いずれにせよ、御指摘の「新たな経済に向けた給付金・定額減税一体措置」が「デフレ完全脱却のための総合経済対策」の一連の施策の一つであり、当該措置の効果のみを抽出することは技術的な困難を伴うと考えられることから、必要な分析等については、各種の統計データの蓄積を待った上で、検討する必要があると考えている。