#82]ナース・プラクティショナー制度の導入に関する質問主意書 | NHKから国民を守る党(質問主意書、などなど。。。)

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第204回国会(常会)質問主意書 質問第二三号
令和三年二月二十四日 浜田 聡   参議院議長 山東 昭子 殿

ナース・プラクティショナー制度の導入に関する質問主意書

 ナース・プラクティショナーとは、医師の指示を受けずに一定レベルの診断や治療などを行うことができる看護の資格のことで、アメリカ等の諸外国で制度として導入されている。日本においては、二〇一五年十月一日より「特定行為に係る看護師の研修制度」を開始したが、この研修によって看護師が独自に診療を行える訳ではないため、諸外国で導入されているナース・プラクティショナー制度とは異なる制度である。
 日本国内において医行為に関する規定は医師法第十七条にあると承知している。医師法第十七条は「医師でなければ、医業をなしてはならない。」と規定し、医師でない者の医行為を禁止している。診断、手術、処方といった医行為については、高度な医学的知識、経験、技術を有する医師自身が行うのでなければ、「健康危害」を生ずるおそれがあり、医師の具体的指示があったとしても看護師がこれを行うことは許されないとされている。このような規制に関しては医師法第十七条が定められた当時には一定の合理性があったものと考える。
 一方で、少子高齢化や地域の医療ニーズの変化、また昨今の新型コロナウイルス感染症への対応等により、医師へ過度な負担や医療崩壊へのリスクの懸念が生じつつある。多くの国民が安心して医療を受けられるような社会を維持していくためには、法令等を時代に合わせて適時適切に見直していく必要があると考える。
 以上を踏まえ、以下質問する。

一)前述の背景を踏まえ、政府はナース・プラクティショナー制度の導入に向けた調査をすべきと考えるが、現時点で政府においてナース・プラクティショナー制度の調査をする予定はあるか。あるいはすでに行っている調査があればその概要を伺いたい。

二)新型コロナウイルス感染症の影響で医療現場の逼迫、特に医師が不足している現状に鑑みると、日本でもナース・プラクティショナー制度の導入を検討すべきと考えるが、政府の見解如何。

一及び二について)お尋ねの「ナース・プラクティショナー制度」に係る調査については、既に、平成二十一年度厚生労働科学研究費補助金による研究において、米国の「ナース・プラクティショナー制度」等に関する現地調査が行われ、その仕組み等について報告されており、政府としては、当該報告や、高齢化に伴う疾病構造の変化等を踏まえて平成二十七年に開始された特定行為研修(保健師助産師看護師法(昭和二十三年法律第二百三号)第三十七条の二第二項第四号に規定する特定行為研修をいう。以下同じ。)を推進しているところであり、医師の負担軽減等を図る観点からも、引き続き特定行為研修の推進に取り組んでまいりたい。
 その上で、令和二年十二月二十三日に公表された「医師の働き方改革を進めるためのタスク・シフト/シェアの推進に関する検討会 議論の整理」において、「特定行為研修制度に関する議論において、「特定行為で限界となる部分に対しては、ナース・プラクティショナーのような新たな職種を創設することで、医師の負担が軽減されると思われることから、今すぐ実現可能というわけにはいかないかもしれないが、長期的に検討を続けていって欲しい」といった意見が出された。一方で、「特定行為研修の修了者を輩出して間もない現時点の状況で限界が見えているのか疑問であることから、まずは特定行為研修制度をしっかり動かして問題点を洗い出してから議論すべき」との指摘があった。二千三十五年度末を目標とした中長期的な視点での更なるタスク・シフト/シェアについては、現行制度下におけるタスク・シフト/シェアの取組状況を含む、今後の医師の働き方改革の進捗状況を踏まえ、全ての医療専門職それぞれが、自らの能力を活かし、より能動的に対応できるよう、医師事務作業補助者や看護補助者等へのタスク・シフト/シェアも含め、引き続き検討を進めていくことを決意し、この検討会の議論の整理とする。」とされたところであり、お尋ねについては、こうした議論や「タスク・シフト/シェア」の取組状況等を踏まえ、引き続き検討を進めてまいりたい。