矛盾の壁 | いちどのじんせいタノシク・ジユウに

【ブログ更新しました】

 

2回のイギリス報告ブログで、だいたいイギリスの医療って、薬局ってこんな感じかな?というものを理解していただけなのではないでしょうか。

 

今回は、最初のブログのタイトルにもある

 

「世界でいま薬局のあり方が考えられている」

 

について少し掘り下げたいと思います。

『世界に』というとだいぶ極端ではありますが、これから書く内容は大体近かれ遠かれ外れてはいないのかなっと思います。

 

私自身3回目となる渡英でしたが、今回はっきりと感じた大きな壁がありました。

 

 

これは日本でも海外でも同じことだと思うのですが、

 

「みんなが健康であれ、病気になるな、病気は治れ」

 

と思う当たり前な世の中、

 

それじゃ医療は儲からない。

 

ということです。

 

極当たり前な、基本的なところが「壁」として立ちはだかっていたことに気がつきました。

 

インフラといわれる部分には公的資源いわゆる税金が投入されます。

 

インフラとは『国民福祉の向上と国民経済の発展に必要な公共施設』をさし

 

学校、病院、道路、港湾、工業用地、公営住宅、橋梁、鉄道路線、バス路線、上水道、下水道、電気、ガス、電話

 

などが該当するようです。

 

医療に関してもいうまでもなくインフラの一つであるといえると思うのですが、ここが課題であり「薬剤師」という職能はインフラであり、薬局という箱はインフラではないと言えるのではないかと感じています。

 

なんどもブログも書いていますが、「薬剤師」の職能と「薬局」の箱としての機能は分けて考える必要があるように思います。

 

分業論には色んな考え方があると思いますが、ヨーロッパ式のいわゆる「毒盛り阻止」的分業、日本式の「経済」的分業もそのどちらも「薬の専門家」である薬剤師の職能を評価しての論だと思います。

 

さらにいうと、それは「性悪説」的な考えであり、「性善説」的な考えであれば医薬分業という考えは生まれないのではと思います。

 

大きな壁を構成する一つがこの「職能」と「機能」だと思います。

 

もう一つ大きな要素の一つに、薬局は「民間企業」だから壁にぶつかっているといえます。

これは日本でも議論されていることですが、民間企業すなわち営利企業は企業継続を目的とし、利益を生まなくてはいけません。

 

薬局における利益とは「処方せん」です。

 

「病気のない世界」を目指すべきとすると、薬局の利益の源である「処方せん」は生まれません。

 

これから冬、そして春に向けて、風邪やインフルが流行ります。春が近づけば花粉症がやってきます。

 

薬局にとっての「繁忙期」がやってきます。

経営者にとって、これがどれくらい流行るかは業績に関わるといえるのではないでしょうか。

 

これが「矛盾」なんですね。

 

当然ながら流行れば流行るほど、受診や調剤で医療機関や薬局は忙しくなります。

そして税金が使われます。

 

特に成果報酬型のいまの日本では大きな問題といえるのではないでしょうか。

 

医療機関でも薬局でも働いている以上は、給料をもらいたい、できるなら多く貰いたい。

でもその財源は言わば税金です。

 

国は社会保障費(税金)を下げたい、下げると医療機関・薬局の売上が減る、減ると経営者は人件費の確保、経営の維持ができない。

 

見事な「矛盾」が生まれているんですね。

 

これが完全分業かつ完全自費という世界であれば世の中変わっていると思います。

しかし現実的には矛盾の中にあるビジネスモデルです。

 

そういった流れを見ると、必然的に世の中の流れがどうなってくるのかが未来が少し見えるような気がします。(これは医療費増が本当に火急の問題だからですね)

 

この矛盾の解消として言われているのが、「セルフメディケーション」の推進なのではないでしょうか。

 

さらにいうなれば、「対物から対人へ」のシフトチェンジ、言い方を変えるならコストパフォーマンスの向上なのだと思います。

 

医療費が下がるなら、そこに財源は投下されます。無駄な投薬が1,000億円減るなら、調剤報酬を増やしてもいいのだと思います。

 

しかし現状は、「医療費も上がり、報酬も増え」です。

もちろん高齢化や分業の推進と一概には言えない訳ですが、、、

 

現状の保険制度化にある薬局の存続には、この矛盾を「同一」の方向に持っていくことに有るようにおもいます。

 

こんなことを考え、どうしようかと頭をひねくり回してもしょうがないのかも知れませんが、今求められているのは「薬剤師の職能を活用した、箱(薬局)の機能のあり方」なのではないでしょうか。

 

国が求める薬局の機能とは、

 

「(かかりつけ)薬局があるから、不必要な投薬が減り医療費が抑制される」

 

ことなのではないでしょうか。

 

Aguantamos, que siempre hay esperanzas, y leventámonos.
(希望は常にある、乗り越え、立ちあがろう!)

 

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