電話口の向こうの彼女の声は、少し緊張気味でした。
「もしもし、 私・・・わかる?」
こんな電話をかけてくるのは彼女しかいません。
「わかるわよ!○○さんでしょ?お久しぶり!」
「うふふ、よかったわかってもらって」
高校時代の友人で、一年ぶりの電話でした。
先日有志だけのミニ同級会を行ったとの報告でした。
なんと御年94歳の恩師も来てくださったとか。
「私たちは、それぞれ人生を刻んできた雰囲気に
なっていたのに、先生だけは全くと言っていいほど
変わってないのよ!今でも“夢見る夢子さん”の
ままなの。詩集同人誌の編集に携わって結構
活躍されているらしいわ!」
一気に45年近く前の、教壇に立つ先生の姿が浮かびました。
綺麗な色合いの仕立てのよさそうな凝ったスーツを
きちんと身に着け「貴女方はねぇ・・・」と穏やかに話す
姿はエレガントそのものに見えたものです。
「今度は絶対に声をかけてね、私何があっても遣り繰りして
駆けつけるから!」
夢中でおしゃべりした30分でした。
心にホッと何とも言えない温かいものが残りました。