わずかに色づき始めた蔦の葉を引き立てるように、たくさんの
ススキが穂をなびかせています。
平日の伊豆急踊り子号の中は、まだ13時過ぎだというのに
すでに宴会が始っていました。
中央線のダイヤの乱れのおかげで乗り換え時間が4分しかなくなり、
私はヨタヨタとそれでも必死に小走りで東海道線のホームへ。
発車のベルが鳴り、車掌さんが最後の確認をしているところでした。
「乗りまぁーす!」あんなところで、あんなに大きな声を出したのは初めて。
踊り子号はいつもなら、チケットの確認をしてからしか乗車させてくれませんが、
とりあえず、乗せてくれました。
でもとび乗ったのは9号車、私の席は2号車。
発車と同時にお弁当やおつまみを広げて、ビールで乾杯をしてい団体の間を
よろよろしながら進むのは、とても気を遣います。
途中の売店でサンドイッチとコーヒーを買い、ようやく座席にたどり着いた時は
すでに横浜駅にさしかかっていました。
幸い隣の席は空いたままだったので、リクライニンを目一杯倒して身体を
委ねるとと思わずフーとため息が・・・。
まもなくお絞りを持って来てくれ「お飲物のサービスは何にいたしましょうか?
また他にご希望のものがあればお持ちいたしますが?」。
とっさに「生ビールを下さい!」…えっ、私ったら…さっきの光景に
つられてしまったのかしら…。
小一時間ほどの間に、ビールとサンドイッチとコーヒーをそれぞれ半分位づつ
おなかにおさめて、下車。
ゆっくり車窓を楽しむつもりが、無事にこの列車に乗れた安堵感からか
思わぬ一人宴会をやってしまいました。
少しボーとした頭のまま、駅前からタクシーに乗ります。
「おかえりなさい!」とにこやかに迎えてくれる管理人夫婦と、たっぷりとした
湯量の温泉がなによりのごちそう。
膝の故障以来、仕事のペースや生活のリズムを見直しています。
ゆっくりした過ごし方をしていると、話し方まで穏やかになることを発見しました。
それにしても、「おかえりなさい」・・・うれしい言葉ですね。