(前回までの記事はこちら から)







翌朝4時。





女性(グル)のすすめで、ラマナアシュラムでのメディテーションに行くことにしていた。



もちろん女性(グル)もだ。






現地集合にしていたので、まだ道に不慣れな私は、たどりつけるか不安だった。







星たちが見守る中、とりあえず歩き始める。








道の端っこに大きな岩?




いやいや、首をまるめて寝ている牛。








また何かのかたまり。






布きれの間から棒が2本。




あ、足?






うわ、人間だ。








正直なところ、生きているのかどうか、わからないような ・ ・ ・ 。










っていうか、道わかんない。




静かだし、こんな時間、人なんかいないし。







あっ。




道のど真ん中に椅子おいて座ってるおじさん。




なんでこんなとこに?




なんか怖いけど、他に誰もいないから聞くしかない。








エクスキューズ ミー。



ラマナアシュラム フェアー(where)?  (これが私の英語力。  いいのか?私。)







おじさん、無表情で一方を指さしてる。



え?こっち?





えっと、サンキュー。








あんな英語で伝わった気はしないし、逆だと思ってたけど、一応信じてみるか。








大通りにでた。




まだこんな時間なのに、屋台の準備をしている人。そこで楽しげにおしゃべりしている人。



そのわきで、地べたに寝転がっている人。 牛。 







不思議なところだ。








歩き進むと、一度連れてきてもらってた目的地に着いた。




さっきのおじさんのおかげだ。ちょっと疑ってごめんなさい。







それにしても、やっぱり早すぎなんじゃないかな。




人がいない。







敷地内の途中からは、サンダルを脱がないといけない。




ここに何もないって、誰もいないのかも。女性(グル)もまだだ。







不安ながらも足を踏み入れる。








インドに来たばかりの頃は、こうして裸足で歩くのが気持ち悪かった。






インド人の半数が裸足で道を歩く。糞も含めて色んな物をきっと踏んでいる。



ここに限らず、スーパーやほかの所でも裸足になる場が多い。






裸足が気持ち悪いんじゃなく、



自分の足が、そのインド人の踏んだところに触れるのが気持ち悪いと思ってた。







今でも完全に平気ではないが、慣れてきた自分にホッとする。








メディテーションの場所には行ったことないから、どこにあるのかわからない。



扉はどこも閉じている。





きょろきょろしながら歩いていると、一人のインド人女性が近づいてきた。









話しかけられている言葉は、現地の言葉でさっぱりわからないが、



きっとここはまだ開かないってことを言ってるんだろう。






困っていると、こっちへおいでとジェスチャーされる。





一つの扉の前に案内された。






”MEDITATION ROOM”







あっ、ここだ!






振り返ると、すでにインド人女性の背中が遠くにあった。






お礼、言えなかったな。



にしても、ここに来たいってよくわかったな。








扉、開いた。




真っ暗で、目が慣れるのに時間が要った。






十数人はいるだろうか。




あぐらをかいて、目を閉じて、







どこまでも、静かだ。









後ろの方の少し広めな隙間に場所をとる。





西洋人らしき女性が、自分の使っていた座布団を渡してくれ、去って行った。







あぐらをかき、両手の指を膝上で逆OKの形(お金を表すみたいに)を作り、目を閉じた。




ヨガの時、初めと終わりにこんなスタイルをとっていたが、メディテーションは初体験だ。






トントントン。






横のインド人男性につつかれた。








自分のスタイルを見せ、私のあぐらを注意しているようだ。



きっと、足先を逆足の太腿に持ち上げろと言っている。






手伝ってくれた。




ため息をつかれた。







だって・ ・ ・ 出来ないもん。







曲がった指をピンと伸ばされ、まぁ良し、とばかりにうなずかれた。









とても、静かだった。






人の出入りがない限り、目を閉じていると人の気配が消えるような、妙な静けさだ。








入ってくる人は、まず左にある何か(暗くて見えない)に向かって、頭をひれ伏している。



うつ伏せになる人もいる。






いずれも額を地に着け、長い間そのままだ。







どうしてみんなこの恰好をするんだろう。









女性(グル)が息子と一緒に入ってきた。




中1のその男の子、こんな朝早くに、それもここに一緒に来るなんて ・ ・






よくわからないが、感動してしまう。









私がここに一人で来れて、こうしてインド人に混ざってメディテーションしてるの、考えたら不思議。






あの時間あんな場所におじさんが座ってて、




ここに行きたいって言わないのにインド人女性が連れてきてくれて、





メディテーションのスタイルを、インド人男性が教えてくれた。








こういうのも、導かれたって言うのかな。





私にしてみれば、そうとしか思えないな。









私の中は、こんなふうにうるさかった。










おしゃべりな私の中が、この何もない静けさによって、






ゆっくりゆっくり、解きほぐされていくようだった。








ほぐされた私は、




まるで 揺りかごの中の小さなあたたかい命。








ただ安らかで、




ただ、ゆだねて、






ただ、静かで 。。