先日、とてもとても恐ろしい事があった。
思い出すだけでも背筋が凍り付く。
それは…
ワタシは車の助手席に子供を乗せて託児所へ向かっていた。
その日は用事もあったので少々急いでいた。
そして子供を預けてすぐに引き返し、急いで家に向かった。
来客がある。
部屋をセットしなくてはならない。
家に帰ると、言い知れぬ不安が襲ってきた。
「間違いなく子供を預けたはずだよね?」
急にそんなことを考え出した。
来客の準備をしながら不安は更に広がっていく。
どの先生に託したかな。誰と話をしたかな。
思い出せない。
どうしよう。
夫に話をし始めた。
回りにも話をした。
すると、その中の一人が近くまで行くから様子を見てきてくれると言った。
神にもすがるような思いで見送り、帰りを待った。
しばらくしてその人は何かを持って帰ってきた。
手には水色の水筒とサツマイモの入ったケース。
それは今朝、子供に持たせたものだった。
サツマイモが大好きなので、おやつにと持たせた。
「どうしたの?これ。」
そう聞くとその人は
「保育所の玄関に置いてあったんだって」
「それで子供は?」
「それが…」
すごく嫌な予感がした。
というより、体が震えてきた。
「これだけ置いてあって本人の姿は見えなかったんだって」
凍り付いた。
何を言ってるのか理解出来なかった。
そして人目もはばからず泣き出した。
大きな声で泣きわめいてあるはずなのに、自分の声が聞こえてこない。
それでも声を出して泣いた。
とにかく探そう。
みんなそう言って手分けして探すことになった。
どうしよう。
どうしたらいいんだろう。
なぜちゃんと預けて来なかったんだろう。
ワタシは何をしてるんだろう。
子供はどこにいったんだろう。
行方不明。
自分が何をするべきなのか、どうしたらいいのか分からない。
完全に思考回路が停止している。
必死に探しながらワタシは泣きながら夫に言った。
「もしもの時はワタシが責任を取るから。」
ワタシの命を以って責任を果たす。そう言いかけた時
目が開いた。
寝室に寝ていた。
隣にはスヤスヤと寝ている我が子の姿があった。
ワタシはしっかりと子供を抱き抱えるように寝ていた。
その手は汗ばんでいて、子供の背中も汗で濡れていた。
夢を見ていたのだった。
恐ろしい夢。
目が覚めてもその恐怖は消えずに、何度も何度も子供の存在を確かめた。
有り得ないのに。預けたかどうか分からないなんて事、有るはずがないのに。
最も恐ろしい事、子供がいなくなる事。
この子がいなくなったら、当然ワタシも存在しない。
夢でよかった。
そして、現実世界でも気をつけようと誓った。
外出するときは、決して側を離れない。
ワタシの命そのものだから。


