みなさん、こんにちは。
ビリーエリオット日本版が先月開幕し
前回、2年ぶりにブログを更新させていただきました。
もともとこのブログは
旅の想い出を整理するために始めたものですが
最近はミュージカル鑑賞を目的に海外渡航することが増え
しかも私はイギリス
に行くことが多くなっておりまして
ネタにならなくなってきていました。
なので、前回の記事をもって
このブログは終了にしようと思っていたのですが
かなり多くの方にアクセスいただいたようで、大変驚いております。
ビリーの影響力はスゴイです
一部の方から、また記事を書いてほしい
とのありがたいお言葉もいただきました。
なので、もう一度書いてみます。
ビリーのこと。
ただ感想については
多くの方が素晴らしい内容で発信されていますので
私は別の切り口の記事を中心に書きたいと思います。
ビリーをより楽しんでいただくため
日本人にはなかなか馴染みのない
ビリーエリオットの背景にあるイギリスの階級社会について。
少々お堅い内容ですが
ビリーに出演している子どもたちにも理解してもらえるよう
そしてなるべく楽しんでいただける内容になるよう努力します
あと後半に、私のマニアックな感想を綴らせてもらいますね
ちなみにわたくし、単なるイギリス
好きなだけで
専門家ではありません故、間違いなどあるかもしれません。
その場合は、ののしったりせずに
優しくコメント等で教えていただけたら幸いです。。
イギリスには、昔から階級が存在しています。
と言っても、法律で明確に定められているわけではありません。
あなたはこの階級ね、って国から指名されるわけでもないです。
昔の制度が身体に染みついている、というイメージですかね。
生まれながらにして決まっていて
そして階級によって、生活習慣が大きく異なります。
嗜好（好み）だったり、服装だったり、言葉のアクセントだったり。
大きく分けて３つの階級があります。
①上流階級
王族、貴族、資産家などですね。
ハロウなどの名門学校で学んで
オックスフォード大学など一流の大学に進学し
大人になったら一流企業で勤めたり
起業したりする、いわゆるエリートの階級です。
ビリーで出てくるロイヤルバレエスクールも
上流階級の人が通う学校です。
上流階級の人でなければ通えないワケではないですが
上流階級以外の人が通うことはあまりありません。
オーディションでビリーに殴られる男の子も上流階級ですね。
そう、リキくん、凪くん、幹太くんは上流階級のお坊ちゃんなんですね
プログラムには「上流っぽい息子」っていう肩書があります。
②中流階級
真ん中のクラスです。
大学に進学する人はこのクラスまでがほとんどです。
ウィルキンソン先生はここです。
ビリーがニューカッスルのオーディションの待ち合わせに来なくて
ウィルキンソン先生がビリー宅を訪れたとき、
トニーから、「中産階級のアマ！」ってののしられてますね。
③労働者階級
一番下の階級です。
肉体労働をする人が多く、義務教育を終えると働く人が多いです。
ビリーの家系はここです。
劇中のセリフにもよく出てきます。
「ブタのように無知な労働者階級の誇りを捨てられない」
ってウィルキンソン先生が父ちゃんにいうセリフが印象的です。
Solidarity
の歌詞にも出てくるので
次に観るときによく聞いてみてください。
日本人の感覚からすると、
階級ってなんかうさんくさいし、ピンとこないですよね。
上流階級は、セレブ？
労働者階級は貧乏で、みじめでかわいそう？
くらいのイメージですかね。
でも階級は、差別とは異なります。
我々日本人は、ブランド好きな人が多いと思います。
私はお金がないので持ってないですが。。
と言いたいとこですが、外国人に比べれば持っていると思います。
どうせかうならいいものを、っていう心理が働きますし。
6月にイギリスに行ったときにバーバリー
のコート買っちゃったし
あ、でも私がお金持ちでないのはホントですが・・・
話が逸れましたが
日本人は自分がいいものを着たり、いい車に乗ったり
美味しいものを食べたりするとき
ちょっと背伸びをして、高い買い物をする人が多いと思います。
さらに自分がいいものを身につけていること、
いいものを食べていること、いい暮らしをしていることを
何気なくアピールしたがる人も多いと思います。
日本人は奥ゆかしいと言われていますので、
その気はないと思っている人も多いかもしれませんが
たとえばJKがプラダやグッチの財布を持ってる時点で
イギリス人の感覚とは全く異なります。
本来、ブランド物を学生が持つことは、普通ではありません。
オマエらのために作ったんじゃねぇよ！
ってイタリア人デザイナーは思ってると思います。
スミマセン、オジサン嫌われちゃう発言しちゃいました
ま、日本人は、見栄っ張りっ気質なのかもしれませんね。
「インスタ映え」を気にするのも、正に日本人らしいかと思います。
一方で、イギリスの人は
見栄を張って上の階級のふりをする人はあまりいません。
生まれながらにしての階級の中で生活習慣ができあがっているし
自身の階級、自分のアイデンティティに誇りを持っているので
たとえば労働者階級の人は
自分につりあわない高級ブランドは必要ないし
高級車に乗りたいとも思わない。
身の丈に合わないことはしない方が自然だ
というのが一般的な考え方です。
ミュージカル鑑賞をするのは中流階級以上の人がほとんど。
労働者階級の人でミュージカル鑑賞が趣味です、
なんていうイギリス人はレアかと思います。
嗜好の違いですね。
ただ上流階級を目指す下層階級の人はいます。
労働者階級から上流階級になった人はいますし、
成功者と見られがちです。
ビートルズの4人なんてまさにそうですよね。
ビリーを作曲したエルトンジョンもそうです。
彼は王室から勲章を与えられていますので、
正真正銘の上流階級者になりました。
彼の出が中流か労働者かは知りませんが、
もともとは上流階級ではないと思います。
ベッカムはお金持ちだけど、まだ労働者階級かな。
サッカーはイギリスで大人気スポーツですが、
彼は勲章は授与されてないし、
サッカーは上流階級の人が好むスポーツではありません。
労働者階級の人は、サッカー、ボクシングなど、
男らしいスポーツを好みます。
上流、中流階級の人は、乗馬とか、クリケットとか、
ゴルフとか、テニスとか。
あともちろん、バレエ
ビリーの父ちゃんは、ビリーにボクシングを習わせて
男らしく育ってほしいと願っていました。
なのにある日、息子がバレエをやっていたことを知る。
「娘っことタイツはいてイチャイチャしとったんかっ！」
すごい言い回しですが、
正に労働者階級の感覚を表現したセリフです。
労働者階級の男の子がバレエをやるなんて、
イギリス人の感覚からしたら、あり得ないこと。
やってはいけないことではないですが
変な目で見る人が多いと思います。
そりゃ、マイケルもビリーがオカマだと思うわけさ
勇気出して告白したマイケルがいじらしい
日本人にはなかなか理解するのが難しいのですが
ビリーエリオットの面白さは、このギャップにもあるんですね。
そして長期にわたったストライキは
国営の炭鉱を民営化することを決めた、国に対しての抵抗。
近代化により殆どの炭鉱はすでに採算が取れなくなっていたため
民営化される閉鎖に追いやられ、失業することを労働者は知っていました。
そしてその背景には、単なる炭鉱閉鎖の反対だけではなく
上流階級の人が労働者階級の人を切り捨てようとしたことに対する
労働者階級の人たちの不満が爆発したものではないかと私は考えています。
この大きな苦悩や悲しみが背景にあるからこそ
少年の純粋さや家族の温かさがより伝わる
素晴らしいストーリーになっています。
ビリーの劇中、
上流階級の人と労働者階級の人が会話を交わす場面があります。
オーディションのときに出てくる3人のお母さん。
「本当に神経にこたえますことねぇ」
って言われた父ちゃん。
父ちゃんは、「は？」って聞き返します。
その後も「うちの子は初めてですけん！」
って言ったところで、「は？」って聞き返されて。
会話が全然噛み合ってないですよね。
英語版ではアクセントも全然違って、
噛み合わないやりとり、空気がさらに面白かったです。
もちろんこのシーン、イギリス人には大爆笑
つまり、ビリーも父ちゃんも、
このオーディションには不釣り合いなふたり。
だから、ビリーはオーディションでトラブルを起こしてしまうのか。
父ちゃんは受付の女性から下に見られるし。
先日、咲哉ビリーを観たとき、
トールボーイは山城力くんでした。
ジョージに、とぅみまてん、てんてい
(すみません、せんせい)
って言ってたのがかわいかった
彼は20日に上流階級のトールボーイから
労働者階級のビリーになります。
頑張れ、力くん👍
あなたなら、生まれ変わるなら
どの階級になりたいですか？？
難しいですよね。
日本人はイギリスを、裕福で華やかで
オシャレな国、とイメージしてる人がかなり多いと思います。
でも実はそれは一部のことであって
ビリーのように素朴な生活をしている人もたくさんいるんですよね。
ただ、男の子も、労働者階級の子も、
バレエをやってもいいんです。
男の子が女の子の洋服
を着ても。
Expressing Yourself
自分を表現して、何が悪いの？
ありのままでいたいだけさ、何が悪いの？
ダンスやりたきゃやっちゃえ。
炭鉱夫にもなっちゃえ。
ほっといてよ！
あんたのこともほっといてやるから‼️
このナンバーは劇中最も盛り上がる、楽しいシーンですが
実は歌詞はものすごく深くて
ビリーエリオットの背景に存在していることを
的確に表現している曲です。
だから、みんな楽しんで観てるのに
私はこのナンバーでも充分に泣けます
だってビリーもマイケルもいじらしいんだもん。
そしてマイケルが可愛い
私はね、ビリーのナンバーで泣かずに見られるのは、
Finale だけです。
はい。そうなんです。おかしいんです。ワタシ
私は今日、9回目の日本ビリーを観覧しました。
やり過ぎ？
ほっといてよ〜
ってもういいか
今日の和樹ビリーで4人のビリーをコンプリート。
それぞれのビリー、みんな個性があって
優劣はつけられませんね。
和樹ビリーは、歌が上手いだけじゃなくて
お芝居もとても上手だった。
和樹くんは常に表情が豊かなんですよね。
久々に The Letter で涙腺崩壊しました
和樹ビリー、大好き❤
航世ビリーはバレエがスゴイ。
彼のElectricity は美しすぎる。
ビリーの王道って感じ。
感情があまり表にでないところも
陰を落とした感じで感情移入してしまいます。
航世ビリー、大好き❤
咲哉ビリーはとにかく可愛い💕
なのにダンスも演技もナチュラルですごい。
彼の声がビリーにマッチしてて
やられてる人も多いと思います。
はい、私もです。。
咲哉ビリー、大好き❤
晴翔ビリーはパワフル。
彼のAngry Danceは過去のビリーでも一番になれるかも。
観たあとは腰くだけになるのでご注意を。
あとは自他認めるイケメン👦🏼
晴翔ビリー、大好き❤
結局、誰が一番かって？
うーん、😵難しい。
東大の受験問題よりも難しいです。
ズバリ、、、
立樹くんかな、、
って、立樹くんはマイケルやないかいっ！
まあご勘弁ください。
みんながそれぞれ素晴らしいし、
力くんもこれからデビューしますしね。
ちなみに立樹マイケルは本当に私のイチオシ
日本のマイケル役の子はみんな
演技力がすごくて、うまいんだけど
イギリスのマイケル役の子たちと比べると、
ぶっ飛び感とか、アドリブとか、自然な表現力とか、？？
説明が難しいんですが、
日本のマイケルの緻密で芝居も歌もうますぎるところが、
私の好きなマイケルのイメージから外れていました。
これは日本語だから、ってのも一因かもしれません。
ただ13日に立樹マイケルを観たときに、
この子、いいって思ったんですよね。
型にはまってないし、自分のマイケルをしっかり演じているし
観客を盛り上げるのも上手だし。
ま、全て、個人的な感想です。
他の子もすごいことは付け加えておきます。
今日のるいくんの「カッコイイ〜」もツボですし👏
いぶきくんも、れんくんも、みんな上手ですごいです。
デビー役の3人も、バレガも、みんなね。
でも、ビリーはねぇ、
もうみんな凄すぎて、
誰がすごいとか、、、
無責任なことは書けません。。
咲ちゃんビリーと立樹マイケル
最前列、よかったなぁ。
こんなにいい席ではもう観られないでしょう😩
ということで、皆さんも是非
赤坂ACTシアターへ足を運んでください。
10月1日まで、絶賛公演中です。
10月15日からは大阪梅田芸術劇場で3週間の公演です。
観ないと後悔するかも？？
またまたマニアックな内容で長くなってしまい、失礼しました。
コメントとか、大歓迎です。
皆さんのビリーの感想も聞きたいので、
ブログやSNSがあれば紹介してください。
さ、明日からまたアリのように働きます。
次の公演を目標に
//追記// 2017年8月16日
ビリーエリオットの映像化、音源化を実現する
取り組みを応援しています。
ご賛同いただける方は、
会場で配られるアンケート用紙に、
DVD、Blu-Ray、CDを出してほしい、
WOWOWで放映してほしい等、
記載をお願いします。
終演後もビリーの感動を忘れないためにも、
皆様のご協力を宜しくお願い申し上げます。
