渚乃奏さんlive#002に参加してきました!
【1.地下へ】今日は楽しみにしていた、渚乃奏さん(さのかなさん)のライブ。アルテマ音楽祭でさのかなさんの音楽に触れて以来、心にズンと刺さる歌詞と音楽が、私の中でずっとぐるぐる回っていました。ぶっちゃけ、私の頭の中ではよくさのかなさんの歌が流れています。どんなに絶望的な状況でも、音楽に希望を見出し、魂が感じた言葉をリズムに乗せて、弾丸のように撃ち続ける。雰囲気的には、夜景の似合うartist。決して南国のパラダイスで水着姿ではしゃいでるキャラではなさそうだけど、闇の部分もあますところなく音楽に乗せて、打ち砕こうとしているfighter。きっとさのかなさんの根底には鬱屈した憎しみとか怨恨とか、そういうのも多分にある気がする。負の気持ちも原動力にして、命を回しているんじゃないかなって。勝手な想像だけど。彼女の武器は、音楽と映像。音楽家であり、映像作家。いや、そんな肩書の枠すら越えてしまう、底知れぬ強い力を感じる。・・この人は、いったい何者なんだろう?個人でここまで完成度の高いものを創るなんて、絶対に只者ではない。気合を入れて、live会場へ。いきなり地下。真っすぐ、さらに地下へと進む。本当に先に進んでいいのかためらうほどに、すでに危険地帯の香りがプンプン。先に進むほど、私のテンションは上がる。【2.圧倒的生感】さのかなさん、歌声もライブ。なんでもかんでもデジタルで済ませない、この生感。後々知ったことだけど、ボイチェンも二種類使い分けていて、音声遅延をカバーするために、30分の1秒くらい早めに歌い始めていたとのこと。まったく気づかなかった。この力業・・偉大な魔人ですね。休憩もなく、歌い続けるさのかなさん。すっごい言葉の弾丸数。さのかなさんの音楽と空間に包まれながら、私の心にこびりついたかさぶたのようなものが少しづつ取れてきているのが自分でもわかった。そんな時。さのかなさん演出で放たれた弾丸が、一発私の方へ飛んできたのです。「聞いてるか?リスナー!」身体のど真ん中を撃ち抜かれる感覚。社会や常識や現実。理不尽さや不自由さや生きづらさ。そんな鬱屈した想いを抱えながら、それでも希望を失わず、言葉にして音に乗せ、映像と空間で表現する。さのかなさんの伝えようとしているものは、どれもウソがない。生きることの苦しみも哀しみも喜びも矛盾も、すべて含めてそれでも生を肯定していきたいという気持ちが根っこにあるのだろう。さのかなさんの発する言葉がなぜここまでグッと深く食い込んでくるのか、このライブに参加して初めて分かった。それは、私自身に向けられた言葉だからだ。ウソだらけの私自身に。【3.感情のタガ】綺麗ごとを想い描いては、単に日々を重ねていくことで精一杯だったり、この先の未来に絶望的な気持ちに支配されそうになったり。そんな鬱屈した暗い気持ちに、確実な光と希望を見せてくれたのが、テクノロジーの力でした。XRという技術を通して見える未来は、唯一私にとっては輝いていて、希望に満ちていました。私がやりたいことや、創りたい未来は確実にそこにあった。さのかなさんが見ている未来は、どんな未来だろう?絶望的な現状にも目をそらさず、それでも拳銃を持ってわずかな希望に立ち向かっていく姿が目に映る。「お前はどうするんだ?」そう拳銃を突き付けられてジャッジの場面に立たされているような、そんな気持ちで、さのかなさんの言葉と音楽と空間に身体と心をゆだねていました。時間が経つのがあっという間で、気が付けばクライマックス。最後の二曲あたりで、感情のタガが外れたように、気が付けば涙を流しながら、私は身体と心を揺らして聴いていました。さのかなさんの放ち続けた言葉と音楽の銃弾は、重く鈍って不感症になる寸前だった私の心を救ってくれたのです。私自身、日々生きていく中で絶望に打ちひしがれそうになる時がよくありました。それでも、希望を捨てたくなくて。絶望と希望の大きな振れ幅の間で、日々を生きていく。そんな私自身の置かれた状況に、さのかなさんの歌詞はぐっとくるものがたくさんたくさんありました。とっても最高のライブでした☆彡【4.正直に表現するということ】__そして、ライブ後。私はさのかなさんに話しかけました。「後ろ向きなことばかり言って暗い気持ちになっても仕方がないけど、前向きなことだけ言っててもなんか薄っぺらい。私自身、絶望と希望の大きな振れ幅の間で日々を生きているので、さのかなさんのライブはとてもグッときました。」そんな思いをさのかなさんに伝えると、彼女は頷きながら「そうですね。前向きなことばっかり言ってても、嘘くさくなっちゃいますもんね。」と。嘘くさい表現だけで綺麗に終わらせるのではなく、鬱屈した気持ちも、悔しい気持ちも、寂しい気持ちも、悲しい気持ちも、表現し続けることの希望も、正直に言葉にして伝えようとしているところが、すごくいいなって思うんです。「正直に表現する」これって、簡単なようで難しくって。私って、大丈夫じゃないのに大丈夫なフリして強がったりしちゃうんです。カッコつけたいとか、周りに良く思われたいとか、そんなつまんないプライドがそうさせるんでしょうね。挙句に、感情に蓋をして、そこにある気持ちをまるでなかったようにしてつらい時をただやり過ごしてしまったことも、正直たくさんたくさんありました。自分の気持ちにウソをついて、それが本当であるかのように自分自身思い込んでしまったり。何をしていても笑顔になれない時期もありました。でも。やっぱり憤りを感じたりやるせなかったり、悲しかったり寂しかったりする気持ちは消えない。どんな状況でも希望を持ち続けていたいという気持ちも変わらない。矛盾した気持ちを抱えながら、それでも、明日も生きていたいと思う。絶望と希望の振れ幅が大きいのは、仕方ない。生きてるって、そういうことだ。今、こうして生きている自分を肯定してもらえた気がして、とても嬉しかった。そんな素敵なライブでした。最高の時間と空間を、ありがとうございました。さのかなさんライブに参加できたおかげで、今日も明日も生きていけます。