しかもそれが「わが友ヒットラー」とあっては、
こりゃ観ないとならないだろう!!ということで観てまいりました。
出演は、東山紀之、生田斗真のジャニーズ勢に、
平幹二郎、木場勝己の大・大・大ベテランのお二人。
さて、タイトルからも分かるようにこの芝居の主人公は、
ヒットラーの側近として突撃隊と呼ばれたナチスの私兵軍を率いた、
エルンスト・レーム。演じたのは東山紀之。
彼を舞台という場で観るのは初めてだったのですが、
残念ながら、ヒガシはヒガシにしかなれないのだなと痛感しました。
舞台の上でレームとしてではなく、ヒガシとしてしゃべっているだけ。
それはもうただのセリフの朗読なのですよ。
言葉から何の感情も伝わってこない、膨大なセリフをしゃべっているだけ。
彼の抑揚のない長いセリフが続く第2幕はホントに拷問のようでした。
眠気と戦いながら観るのが辛くて、もうとにかく信じられないくらい酷かった。
何より、レームのヒットラーへの愛が何も伝わってこないなんて、
そんなのはすでにレームではありません。
正直なところ、もっといい役者に演じてほしかったです。
私の思うレームというのは、ヒガシみたいなスマートな感じではないし、
見かけは醜悪でも、ヒットラーのためと一途に信じる道をまい進する、
不器用バカ軍人みたいなのがよかったなあ。
タイトルロールのアドルフ・ヒットラーを演じたのは生田斗真。
有名すぎる独裁者、演説で熱弁を揮う一方で、神経質で、孤独。
そんな、いわゆるヒットラー像を裏切ることなく演じた斗真でしたが、
いかんせん若すぎますね。こればかりはどうしようもないけど。
第1幕で彼は客席に背を向けてバルコニーから演説をしているのですが、
もうその背中が若いのよね・・・背中で演技ができるようになるにはまだまだか・・・。
まあ、無理に年寄りを演じるような演技プランではなかったのでしょうが、
その姿と無理矢理に髪を寝かし付けたようなヒトラーヘアが違和感ありありで。
彼の演技そのものは、将来を期待させるような出来でなかなか素晴らしかったですが、
やはり役者としてはまだこれから。
年齢を超越するような演技を見せられるようになれば本物かと。
まあ、ヒットラーには可愛らしすぎたな・・・。
そんな若々しい、まだまだの二人を支えたのが、
平幹二郎、木場勝己のお二人です。
屋台骨というか、彼らがこの破綻寸前の芝居を、
芝居として見られるものにしてくれていたような気もします。
何かもう必死!という感さえした若い二人とバランスを取るように、
どっしりとゆったりと落ち着きと冷静さをもって、
物語を導いていたような、そんなイメージでそこにいらっしゃいました。
プロとアマチュアといってもいいくらい、それくらいの違いはありましたね。
右と左であるレームとシュトラッサーの対比があまり伝わってこなかったのも残念。
年齢、経験、ともに違いすぎる二人なので仕方のない部分ですが、
バランスを考慮した配役があってもよかったのでは?
・・・残念な部分がいろいろと浮き彫りになる舞台でしたが、
実際のヒットラーの演説の音声と民衆の歓声であるとか、
ワーグナーを多用していたところなどはさすがにはまってました。素晴らしい。

・・・ちみなにダブルではありますが、
私は「サド侯爵夫人」観劇予定はありませぬwww