創造主↔主人公、暴動はすでに予告されていた? <W(ダブリュ)>の中の「黒い絵」[企画]
「下剋上」は、すでに予告されていた、
ドラマ「W(ダブリュ)>の中の隠れた名画、ゴヤの「息子を食うサートゥルヌス」
「喰われるよりは、取って喰らう。」
作家の緻密な伏線に感心をせざるを得ない。去る19日(木)放送されたMBC水木ミニシリーズ<W(ダブリュ)」が漫画家オソンム(ギムウイソン)の顔を奪いカン・チョル(イ・ジョンソク)に正面対決を宣言する敵の登場で波乱を起こした。ドラマの中<ウェブトゥーンW>の中の正体不明の敵ウェブトゥーンの創作者オソンムを、まさに「喰う」衝撃的な展開に視聴者たちは舌を巻いている状況。ドラマの中の一般的な設定とは異なり、これらは2次元と現実を行き来しているという点、作家でさえ制御が不可能な主人公たちの動きは、経験豊かな視聴者でさえ一寸先を予測するのは難しい。
しかし、このような展開は少なからず最初から暗示がされていた。序盤から知ることができない危機感に追われるオソンムの姿から、ヒロインオヨンジュ(ハン・ヒョジュ)が父の仕事部屋で発見することになるさまざまな作業メモ、そして狂気じみたイメージで視聴者たちの視線を集めた「この絵」が、そのヒントであった。
<W(ダブリュ)>1話でオヨンジュは行方不明になった父オソンム作業室でメモと一緒に絵を発見することになる。
暗い雰囲気、その中で白く幼い息子の肉体をちぎって食べているこの奇妙なイメージは、一気にヨンジュの眉をひそめさせるほどドラマの緊張感を作るのに十分だった。
スペインの画家フランシスコ・デ・ゴヤ(Francisco de Goya y Lucientes、1746〜1828)の「黒い絵(pinturas negras)」の連作シリーズであり、無題のこの絵は、いわゆる「息子を食べてしまうサートゥルヌス」と呼ばれている。名前と画像で垣間見ることができるように、自分の地位を狙う「息子」を喰うサートゥルヌスのイメージは、「W(ダブリュ)」が解きつつある創造主オソンムの不安を代弁している。
<W(ダブリュ)>に登場したフランシスコ・デ・ゴヤの「我が子を食べてしまうサートゥルヌス(1819年〜1823年)」
信託を受けたサートゥルヌス - クロノス、「取って食われるよりは、取って食べる」
絵の主人公であるサートゥルヌス(Saturnus)は、ローマの耕作の神として、ギリシャ神話の中の時間の新人クロノス(chronos)と同一視される。クロノスは、過去大地の神であり、母ガイアの助力で自分の父である天の神ウラノスを去勢して神々の王になる。
しかし、この過程でウラノスの呪いと、母ガイアもタルタロスに閉じ込められている兄弟たちを解放することにした約束を破って王になったクロノスに向けて、彼が父を放り投げたように彼も同じ運命になるという信託を下した。その時からクロノスは、呪いを避けるために我が子が生まれるたびに飲み込んでしまった。
苦心に陥った妻レアは、ガイアのアドバイスで末っ子赤ちゃんの代わりにおくるみに包まれた石ころをクロノスに飲み込ませて、子供は密かに育てる。今後この赤ちゃんは、クロノスをタルタロスに幽閉して、お腹の中にいた兄弟たちを導いてオリンポスの新しい王になったので、彼がまさにゼウスだ。
「我が子を喰うクロノス」というテーマで完成されたパウルルーベンスの絵(左)とゴーヤの絵(右)
このように、画家ゴヤは、ギリシャローマ神話の中の話をもとに、自分の画風を加えサートゥルヌス - クロノスの狂気を表現した。ゴヤが描いたサートゥルヌスは老いて醜くて、狂気に包まれた姿で描かれているが、17世紀のバロックを代表するベルギーの画家であるパウルルーベンス(Peter Paul Rubens、1577年〜1640年)の「子を喰うクロノス」の影響を受け、自分だけの画風に再解釈されたものと見られる。
加えて、80歳を前にした晩年のゴーヤーは1891年の別荘を購入し、世界と断絶したまま病魔と闘い、絵を完売したが、その時の死の恐怖と不安も図の暗い色彩と雰囲気を介して露出されている。
暗闇に綴られた狂気と欲望、絵を越えてドラマで再誕生である
狂気と欲望、恐怖と恐怖で綴られたゴヤの「息子を喰うサートゥルヌス」は、神話の中の話の再解釈を超えて、若い肉体をちぎって食べても、自分の位置を維持するために必死に力をふりしぼるサートゥルヌスの姿を極端化して示すことによって、人間の内面に宿る「暗い感情」を強烈に形象化しながら、後世の多くの画家たちにも影響を与えた。
<W(ダブリュ)>9回の中のキャラクターに自分の顔を奪われた漫画家オソンムの姿
ドラマ「W(ダブリュ)」でもこのような脈絡を読んで行くことができる。主人公カン・チョルを制御することができなくなったオソンムが彼をウェブトゥーンで「殺そうと」しようとした点、それにもかかわらず、今回はカン・チョル以外の設定値外のある種の敵が登場して、今回は「創造主」の顔を奪う。ウラノスからクロノス、ゼウスに至るまで、ギリシャ神話で行われた父と我が子の下克上が、今回は創造主と主人公という仮面をかぶって力のバランスを競っているのである。
ドラマが緊張感あふれる予測不可能の展開を継続する中で、果たしてこの戦いがどんな結末に向かうのか、すでに視聴者たちの気がかりなことをかもし出している。 MBC水木ミニシリーズ<W(ダブリュ)>毎週水、木放送。






