母に影響を与えてくれた
患者さん達との出会いを二つほど。
長くなるので
シュガーの可愛い写真つきで。
その日、この方はクラウンの施術で来院されてきた。
髪が長く、焼けた肌、小柄で引き締まったキレイなスタイル、独特なタトゥーが彫られ、彼女にしか出せない独特な雰囲気があった。
施術前半は先生が歯を削り方をとる作業、後半は
母が仮歯の作成をし、仮歯をセメントをして施術終了となる。
後半の施術に入り、先生が席をたったのを見計らい、患者さんが話しかけてきた
“今日は私のゴッドマザーの誕生日なの。
もう彼女はこの世には居ないんだけどね。”
母は、あまりにも突拍子も無い会話のスタートに戸惑ったのを覚えている。
“お亡くなりになられているのに、
こうやってお誕生日を覚えて貰えるなんて、幸せな事ですね。”
と、返した。
“ゴッドマザーの名前はMoeって言うの。
スペルもあなたと全く一緒。
だから今日あなたが待合室に私を呼びに来た時に
あなたの名札を見てとても驚いたわ。
そして彼女の魂を近くで感じたの、今この瞬間も彼女のエネルギーを感じるわ。”
患者さんが話し出したあたりから、細胞が脈打つ感じが全身を駆け巡って、最後は頭のてっぺんから足の指まで全身鳥肌が立っていた。
後出しジャンケンになってしまうが
実は母も、患者さんを施術室に通した段階から
ずっと患者さんに近い側の身体の部位に鳥肌が立っていて、不思議な感覚、気持ちだったのが
ここで繋がった。
そのあとは、施術中に
初めて会った人に話す内容では無い
深い深い話をして
施術後に長いハグをしてお互い感謝を伝えて
患者さんは帰って行った。
その後も、患者さんが来院の際には
誰に話しても理解されないだろうから、と、自分だけで大切にしていた感情をシェアーしたり。
どんな言葉でこの感覚を表現したらいいのか。。
母の乏しい語彙力で言い表すと
彼女には人から感情を自然に
引き出し受け入れ浄化する力がある。
完全にどっちが患者か分からない状態。
彼女に出会えたのは
これまで食いしばって頑張ってきた
ご褒美だと思う。
もう1人の患者さんとそのお兄さん。
この患者さんは、半年に一度、
お兄さんに連れられてやってくる。
毎回 IV セデーション(静脈内鎮静法)
でExamと歯のクリーニングを先生が行う。
もう80歳前の男性。
頭にヘルメットをし身体に不自由があり、
ほとんどコミュニケーションが取れない。
多分、先天性の病気だ。
Sedation をしてても暴れる事があるので
お兄さんが弟さんの頭を固定するのを
手伝う事もある。
そんなお兄さんも、脳卒中かな?半身麻痺を
かかえている。足を引きずりながら歩き、喋る時も顔半分が麻痺しているせいか少し聞き辛い。(母の英語理解力のせいでもあるが。。。)
そんなお兄さんは80歳超えてる。
そんな、2人が来院すると
弟さんは施術後はsedatedの状態なので
車椅子で車まで送るのだが、
毎回
クリニック目の前の身障者用の駐車スペースに停めず少し離れた一般の駐車場に車を停めている。
多分、うちに受診しに来る誰よりも身障者スペースを利用した方が、2人にとっては便利だろうに。一つしかない身障者スペースは他の患者さんの為に利用をさけてる。
お兄さん曰く、
弟はここにくると機嫌がいいんだよ!
だって。
なんか、母の日本に生まれて日本という素晴らしい国で育ち教育を受けられて自然に身についたけど、
日本人だからって気を張って少し見せ掛け混じりの”謙虚さ、相手を思いやる”
とは格の違う本物の
”謙虚さ、思いやり”。
アメリカに来て苦しい日々が続いたけど
こんな患者さん達に会うために
導かれたと思う事で
気持ちに踏ん切りがついて前向きに
アメリカ生活を送れる様になった。
最後に
今年3年ぶりに開催され最高に楽しかった
マリンコーボールの写真です。
このブログを書き始めたのが
2022年4月。
なぜか投稿出来ずに
下書き保存と編集を繰り返して
やっと投稿する決断がついた
そんな、2022年のクリスマス。