KiziSH フロリダ生活 -2ページ目

KiziSH フロリダ生活

フロリダ州タンパでの日々。
キジさん、娘12歳。
ダシュ男、息子11歳。
の成長記録。
最近は、母のアメリカでの仕事奮闘記事多め。


母に影響を与えてくれた

患者さん達との出会いを二つほど。


長くなるので

シュガーの可愛い写真つきで。



その日、この方はクラウンの施術で来院されてきた。

髪が長く、焼けた肌、小柄で引き締まったキレイなスタイル、独特なタトゥーが彫られ、彼女にしか出せない独特な雰囲気があった。


施術前半は先生が歯を削り方をとる作業、後半は

母が仮歯の作成をし、仮歯をセメントをして施術終了となる。


後半の施術に入り、先生が席をたったのを見計らい、患者さんが話しかけてきた


“今日は私のゴッドマザーの誕生日なの。

もう彼女はこの世には居ないんだけどね。”


母は、あまりにも突拍子も無い会話のスタートに戸惑ったのを覚えている。


“お亡くなりになられているのに、

こうやってお誕生日を覚えて貰えるなんて、幸せな事ですね。”

と、返した。


“ゴッドマザーの名前はMoeって言うの。

スペルもあなたと全く一緒。

だから今日あなたが待合室に私を呼びに来た時に

あなたの名札を見てとても驚いたわ。

そして彼女の魂を近くで感じたの、今この瞬間も彼女のエネルギーを感じるわ。”


患者さんが話し出したあたりから、細胞が脈打つ感じが全身を駆け巡って、最後は頭のてっぺんから足の指まで全身鳥肌が立っていた。


後出しジャンケンになってしまうが

実は母も、患者さんを施術室に通した段階から

ずっと患者さんに近い側の身体の部位に鳥肌が立っていて、不思議な感覚、気持ちだったのが

ここで繋がった。


そのあとは、施術中に

初めて会った人に話す内容では無い

深い深い話をして

施術後に長いハグをしてお互い感謝を伝えて

患者さんは帰って行った。


その後も、患者さんが来院の際には

誰に話しても理解されないだろうから、と、自分だけで大切にしていた感情をシェアーしたり。


どんな言葉でこの感覚を表現したらいいのか。。

母の乏しい語彙力で言い表すと


彼女には人から感情を自然に

引き出し受け入れ浄化する力がある。


完全にどっちが患者か分からない状態。


彼女に出会えたのは

これまで食いしばって頑張ってきた

ご褒美だと思う。



もう1人の患者さんとそのお兄さん。


この患者さんは、半年に一度、

お兄さんに連れられてやってくる。

毎回 IV セデーション(静脈内鎮静法)

でExamと歯のクリーニングを先生が行う。

もう80歳前の男性。

頭にヘルメットをし身体に不自由があり、

ほとんどコミュニケーションが取れない。

多分、先天性の病気だ。

Sedation をしてても暴れる事があるので

お兄さんが弟さんの頭を固定するのを

手伝う事もある。


そんなお兄さんも、脳卒中かな?半身麻痺を

かかえている。足を引きずりながら歩き、喋る時も顔半分が麻痺しているせいか少し聞き辛い。(母の英語理解力のせいでもあるが。。。)

そんなお兄さんは80歳超えてる。


そんな、2人が来院すると

弟さんは施術後はsedatedの状態なので

車椅子で車まで送るのだが、

毎回

クリニック目の前の身障者用の駐車スペースに停めず少し離れた一般の駐車場に車を停めている。


多分、うちに受診しに来る誰よりも身障者スペースを利用した方が、2人にとっては便利だろうに。一つしかない身障者スペースは他の患者さんの為に利用をさけてる。


お兄さん曰く、

弟はここにくると機嫌がいいんだよ!

だって。


なんか、母の日本に生まれて日本という素晴らしい国で育ち教育を受けられて自然に身についたけど、

日本人だからって気を張って少し見せ掛け混じりの”謙虚さ、相手を思いやる”

とは格の違う本物の

”謙虚さ、思いやり”。



アメリカに来て苦しい日々が続いたけど

こんな患者さん達に会うために

導かれたと思う事で

気持ちに踏ん切りがついて前向きに

アメリカ生活を送れる様になった。




最後に

今年3年ぶりに開催され最高に楽しかった

マリンコーボールの写真です。







このブログを書き始めたのが

2022年4月。

なぜか投稿出来ずに

下書き保存と編集を繰り返して

やっと投稿する決断がついた

そんな、2022年のクリスマス。







カメラを向けたら、

一回は変顔をするキジ。



“ザ・思春期女子” 特有の難しいお年頃に

なってきましたぜ。


男子の勲章?ついに骨折を経験した
ダッシュ。



ピアスも開け。髪型もこだわり出して。

にーにーになってる。


そして、ついに始まった、新学期。

キジ7年生。中2。

ダッシュ5年生。小学6年。


新学期初日は、

父も母も仕事から許可を頂いて

家族全員で登校!


子供達にとって

勉強も人間関係も

学びの多い一年になりますように!


母も本日、ずっと目標だった

フロリダ州の

EFDAとradiographの

筆記、技術テストを受けて

無事合格しました。


仕事後、ランチ時間、週末に

とっっても勉強頑張ったけど


受ければ誰でも受かる的なテストで。。。


母の努力と緊張を返して欲しいのだが、

ま、かなり知識も増えたので

結果良し!



来週からは

すこしゆとりのある生活が出来そうで

ワクワクする♫







今日の出来事。

私が最後についた患者さんのお話。


定期検診で受診された60代後半の

長身の患者さん。

クリニックの長年の患者さんだったらしいのだが、

ここ数年は全く受診されてなかったらしい。


定期検診の場合はFMX と言って

お口の中の全ての歯を細かく18枚程度X-RAYで撮影し、

その後、先生の診察にはいる。


いつものように、

診察の流れを説明して、口の中の様子を伺った後、

X-RAY を撮ろうと機材の準備にとりかかろうとしたら患者さんが


先に言っとくけど、


と話し始めた。


数年前(ぱったりクリニックに来なくなる少し前)にインプラントをする予定で、

左下の方に骨移植の手術をしたけど

その直後、職を失い、結局インプラントを出来ずにいる事。

そして、さらにそれから間も無くして

息子さんを亡くしてしまい、

自暴自棄になり、投げやりな日々を送っていて

口内衛生にまで気が回らなくなり

一年半以上たってしまっている事。

そんな矢先、

去ったクリスマスイブの夜に右の下の歯が痛みだし

うちのクリニックに電話したものの

すでに年末年始のお休みでクリニックは閉まっていたので、緊急外来の歯医者さんへ行き

右下の歯2本を抜歯した事。

そして、多分今の僕の口のなかは

虫歯だらけだろう。。。

と。


FMX撮影後

先生が診察室に入り、


彼は先生にも

私にした様な説明を淡々と話した。


先生の診断で、やはりかなりの

虫歯が見つかった。


でも、

今ある歯の虫歯に気を向けられるくらいに

彼の心が回復に向かい、

治療をする意欲が湧いて

クリニックまで来てくれた事が

嬉しかった。


だから、

今日、クリニックに来てよかったって思って貰えるように、

少しでも嫌な事から気がそらされる瞬間が有ります様に、

一生懸命、丁寧に接した。


診断後、私がコンピュータに向かって

カルテ記入、今後の治療の方針をまとめていると、 


それまで気丈に振る舞っていた

患者さんが


“トニー(先生の愛称)、僕は毎日、息子を助けてやれなかった後悔と彼を失った苦しさで。。”


と、言葉を詰まらせて泣き出した。


母はコンピュータ画面から目をそらさず、

涙が流れない様に歯を食いしばる事しか

出来なかった。


その後、先生と患者さんは息子さんのことについて少し話し込んだ。


先生は多分、現在、保険もなく経済的にも豊かでは無い彼の治療を破格でするつもりだと思う。


赤字確定の治療。

奥様にまた怒られるはずだ。


先生は、そういう、医者なのだ。


だから、この仕事を

バカ忙しくても、すり減っても頑張れる。


私はいつも先生に


あなたは、最悪のビジネスマンだけど

最高の医者だ。


と、伝えてる。


さ、明日も頑張るぞ!




クリスマスにダッシュから両親への

ギフト。


ダッシュから父へ、



**あなたのように素晴らしい父親しか

私のような素晴らしい子供は授からない。 


と記されたマグカップ。


父と母が仕事の間に、

キジと自転車かっ飛ばしてお店へ行き

少ないお小遣いで彼が購入してくれた

父と母へのクリスマスプレゼント。


旦那、このマグカップを

誇らしげに毎日使っております。 

そりゃ、嬉しいわ。


そして、

これがダッシュから母へのギフト。



**新しい技を学べ。

新しい友達を作れ。

機会を嗅ぎつけろ。

愛する者が帰宅した際は、毎回走って行って挨拶しろ。

人生は犬がいる事で格が上がる。 


え?

ダッシュから見た母は、犬ですか? 


ダッシュ的には 

新しい友達を作れ!

母に響いてほしく、このマグカップに

したらしい。


クリスマス早朝から

幸せな気持ちにしてくれた、そんな息子の

クリスマスプレゼント。 









2022年、明けましたね。


父が送ってくれた

沖縄の初日の出。



これは、姉から、九州の初日の出。



そして、これは私の住むフロリダの初日の出。



何故か分からないくらいけど 

ポロポロ涙が止まらなくて

初日の出見ながら一人で泣いてた、

そんな2022年の、幕間け。



2021年7月、アメリカに久しぶりに来て

家族が近くにいない寂しさ、引っ越しのストレス、文化の違い、新しい仕事、毎日歯食いしばって頑張って駆け抜けた一年だった。


父、兄、姉(母は朝が苦手)が見た

日出る国、日本で上がった初日の出が

フロリダにも上がったから

2022年も頑張れそうな気がした。