ダークサイド・ウォーカー

ダークサイド・ウォーカー

時折落ちる暗黒面の考察。(※ダークな部分だけ抽出)

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当時私が知り合った男は何人かいた。
そのうち肉体関係を持っていたのは2人。


1人は車を持っている藤沢に住む年上のお兄さんだった。
田舎者の私を、よく都会観光に連れ出してくれた。
江ノ島や鎌倉やその辺に住む芸能人の家など、
観光ガイドになってくれたので楽しかったし便利だった。

それの見返りにカラダを求められるのだが、
彼にはおかしな性癖があり、外でしたがるのだ。
そして誰かに見られたいらしい。
最初のうちは我慢していたが、次第にエスカレートしていったので
会わないようになっていった。

お互いにウソでもいいから、抱かれているときだけでも
愛を感じ合いたかった私には耐えられなかった。
だから住む場所の交渉はできなかった。



もう一人は元ヤンキー家出少年の1つ下の男の子。
彼女を寝取られて、同棲していた部屋を引き払ったばかりで
さびしさを埋めたいから私に声をかけたのだ。

寂しさが衣のようになっていた私には、
彼の寂しさや悲しみがすごくわかったし、
私のような、どうしようもない汚れた人間でも
この体温でなら温められる。と思えるようになったから
彼とはよく会うようになっていた。
寂しい者同士は体温だけでも愛と錯覚できるのを知っていた。


その彼に住む場所がなくなりそうだと相談した。
彼は考えに考え、

「部屋を引き払ったばかりで住む場所はないけど、
 ウチ特殊だからウチに来ればいい。母ちゃんに相談してみる。」

翌日、彼の家に連れて行かれた。
着いたのは某コンビニだった。
「ウチはコンビニやってて2階に住んでる。」

彼は、父母、祖母、弟の5人家族だった。
実質実権を握っているお母さんと面談。

「よし、アンタの親御さんのためにもアンタを引き受ける。
 息子が家出したときはすごく悩んだけど
 パチンコ屋さんで住み込みで働かせてもらって
 自力で暮らしていくことを覚えさせてもらった恩がある。
 私がアンタを引き受けることは
 息子のことの恩返しなんじゃないかって、今思ったよ。」

その日からコンビニ2階の彼の家庭に居候することに。
肝っ玉母さんの愛には感服し、心に暖かいものを感じた。

ここの夫婦関係は既に冷め切っていて、
家庭内別居という形にはなっていることは
彼から聞いてて知っていたけれど、(それで彼がグレた)
それでも今でも、
昼の部はお母さん、夜の部はお父さんと
このコンビニを経営していくビジネスパートナーとしての関係はあって
1つ屋根の下で暮らしているってことは
やっぱり幸せな家族の形のひとつなんだなと思えて
私には居心地がよかった。

「ただし、部屋が余ってるワケじゃないから寝るときは私の部屋。
 弟もいるから○○(彼の名)と一緒の部屋で寝るのは
 教育衛生上よくない。私と一緒に寝起きしてもらうよ。」

それでもぜんぜん構わなかった。


おばあちゃんも私をすぐに受け入れてくれた。
一日中家にいるおばあちゃんとは、よく話をして仲良くなった。

私が外から帰ってくると、どう声をかけて家に入ればいいか分からず
「おじゃまします」
と言って家に入ってきていたのだが、おばあちゃんが

「あんた、水臭いわよ?
 あんたはもうウチの家族なの。
『ただいま』って言っていいのよ。
 ほら、言ってごらん?」

思ってもいなかった熱い衝撃に混乱しながら
抱きついて泣きじゃくりたい気持ちを抑え、
悟られないように我慢しながら

「た・・・ただい・・ま・・・」

と言ったときには既に涙がボロボロ出ていた。

「おかえりなさい。」

その一言で、寂しさの冷たく硬い衣が融けてなくなった気がした。

「今泣いたの、内緒にしてあげる」

ああ・・・・これが愛だ・・・・