宝誌和尚と「館蔵仏像名品選」 | LIZABSTRACT

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先日出雲展に行った話の関連なのですが、

出雲展
http://ameblo.jp/lizabstract/entry-11409231420.html


その時に国立西洋美術館のポスターを
見て遠目だったせいか?
ある一つの仏像を連想いたしました。



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それは重要文化財  「宝誌和尚立像」と言う
仏像なのですが、宝誌和尚と言う不思議なお坊さまが
ご自分で顔の皮をはがしたら皮の下から
十一面観音が出現した。と言う場面を表した仏像です。




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初めてこの仏像を拝見したときは、
余りに前衛的で衝撃的でしたが、
こうして国立西洋美術館のポスターと比べても
十分に力強い訴え掛けるものを持っていて
11世紀の彫刻なのに
モダンな作品だなぁと思います。




宝誌和尚立像の話はまた後にして、
今日は東京国立博物館の出雲展を観た後で鑑賞した

「館蔵仏像名品選」の展示の一部をまず
紹介したいと思います。



大きな企画展の後、他の展示を見ないで
さっさと帰ってしまったりお茶を飲んだり
ミュージアムショップで時間を使ってしまう事も
多いですが、東京国立博物館って流石に良い仏像を
沢山所蔵しているので、これを観ないのは
本当にもったいない気がします。




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色々良いのがあったのですが、
私が好きな3像を展示順路の順番で
今日はご紹介したいと思います。


まず展示スペースを入って一番最初に遭遇するのが、
この重要文化財「菩薩立像」鎌倉時代の作品です。

もうここでうっとり~~。




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非常に艶かしくて優雅、横から観たお姿も
軽やかで・・・
風が吹くと衣が舞い上がったり、たなびきそう。




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こちらの仏さま。見所は艶めかしさなのですが・・・
目が玉眼と言って水晶が嵌め込まれているのですが、
なんと唇にも彩色した上に薄い水晶板をあてて
またその上から朱を塗るという大変珍しい技法で
造られていてそれで唇の艶が
仏さまに息を吹き込んだようなありがたさなのです。
この技法を「玉唇」と東京国立博物館は
呼んでいましたが、現存する唯一の作例なのである。

仏師善円(1197~1258年)の作と非常に近く
13世紀前半まで遡るものと思われ
奈良時代以来の伝統手法を受け継ぎつつも

南都で流行した造像の作風だそうです。





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こちらの「文殊菩薩」も
奈良の仏師善円(1197~1258年)の作と
ほぼ断定だそうです。

少女のような白いお顔で頭に可愛らしく
髪を結ってお団子がついています。
しかしこちらも輝くような肌をしていらして
木造 金泥塗 彩色 截金 そして 
瞳も玉眼です。

ため息が出そうに綺麗な仏さまです。






そしてごっしーも大好きな
「千手の誓いぞ頼もしき・・・♫」の・・・




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「千手面観音菩薩坐像」14世紀

アトリビュート(持物)を失っているが、42本の手、
頭上面、それに台座や光背などがほとんど造像された
当時のまま現在に伝わっている事が貴重。と
いう内容の解説がついていた。



私はライティングされて背面の壁に映し出された
仏像と光背の影が、ことに仏像の美しさを

引き立たせていると思った。



どうしてもお寺で拝観する仏像は照明に不満が残る。

信仰の場でさえ仏像をもっと良く観たいと言うのも

欲深いことなのかもしれないが、
博物館展示、ことに近年の東京国立博物館は
ライティングが素晴らしいと思う。





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ところで・・・先日のごっしーの予言詩だが。

「後白河法皇が「予言詩」で警告する戦慄のカタストロフィ」
http://ameblo.jp/lizabstract/entry-11417746175.html



最近になって「野馬台詩」の作者を調べたら
なんとそれこそが「宝誌和尚」その人だと言う事が
わかったのだ・・・。


吉備真備入唐絵巻から野馬台詩に繋がっただけでなく、
その前に西洋博物館の前でポスターを見て
「宝誌和尚立像」を連想し、
その後出雲展の後で素晴らしい仏像の数々に
陶酔して、最後にごっしーの好きな千手観音さまを
拝見して・・・すべてがごっしーにつながって行くような
不思議を感じます。




まるで、ごっしーから「余がみなに伝えたかった事を
充分調べて書くように。」と密使を授かったように
すら思えてしまった。



☆。.:*:・'゜★゜'・:*:.。.:*:'☆。.:*:'゜★゜'・:*:.。.:*





 
風狂の僧、宝誌和尚についてはまたの機会に
改めて書きたいと思います。

最後に後白河法皇の梁塵秘抄から
一節お送りさせていただきます。





「仏は常にいませども 
 現(うつつ)ならぬぞあはれなる 
  人の音せぬ暁に ほのかに夢に見えたまふ」


「仏さまは常に私達と共にいらっしゃるのだけれど、
 そのお姿を表されることはうつつのようだ。

 むしろそれでこそ尊く思われるのだが。
 衆生の物音のしない静かな暁には、 
    ほのかに夢にお姿を見せて下さる。」





        

            合掌