アメリカの国籍を放棄する人が増えてきた、という記事を読んだ。

 

 

そーだよね~、絶対欲しくないと思ったもん。

グリーン・カードだって、できれば取りたくない。

と思ってた。

 

記事を読むと、国籍放棄の理由は、納税制度だとか。

あー、それね!それも納得!

ていうか、税金のことって市民権取る前に真っ先に調べるべきですですよね。

国民皆保険制度なんかの社会福祉はないくせに、税金ばっかり取るよね、というのがアメリカにいた時の印象。

国力を強くすることには湯水のようにお金を使うけど、日本やヨーロッパのような国民へのサービスはほとんど無い。

個人や企業に丸投げで、なんて国だ!って思ってた。

 

 

しかも、納税申告で万が一ペナルティを取られた場合、罰金や処罰が恐ろしい。

アメリカにいた時に雇っていた税理士も、とにかく気を付けて、と毎回言ってきてた。

 

 

この記事にも、「税金の恐怖」と書いてある。

そのとおりだと思った。

 

 

グリーン・カードは取らずに済んだので、詳しいことは分からないけれど、

国籍(市民権)を取ってアメリカ人になってしまったら最後、世界中どこに住んでいても

アメリカ本国への納税が発生する。

私の友人も、夫がアメリカ人なばっかりに、日本に住んで日本法人の会社に勤務しているのに

日本での確定申告のほかに、アメリカにも納税申告していた。

それがわかったのは、ある年、彼女と確定申告の話をしていたとき。

今年からアメリカの納税申告にアメリカの税理士免許を持ってる人を雇ったと聞いてびっくりした。

日米、両方自分たちでするのは大変すぎてギブアップしたとのこと。

そりゃそうだ。

日本への納税がメインだから、アメリカへの申告はより複雑になってしまう。

 

 

アメリカ人て大変なんだ。夫がイギリス人で良かった~。

と、ほっと胸をなでおろす。

 

 

これで合点が行ったことがある。

アメリカの軍人さんたち、世界中の基地や紛争地にいるけれど、

俺たちは納税者だ。物申すぞ!て感じで物申してますね。

税金払ってるんだぞ!て、納税者の権利、結構強く主張してる印象があります。

このアメリカの税金の徴収制度を知って、彼らが黙ってはいないぞ、という態度なのが納得いきました。

 

 

ところで、(今さらですが、、、)イギリス人の夫に、「イギリスには納税しなくていいの?」

と聞いたところ

「イギリスは、仕事をして収入を得ている国に納税すればよいことになっている。

ていうか、普通はそうだよ。日本もそう。たいていの国はそうなのに、アメリカだけは違う。

アメリカ人になりたがる奴の気が知れないよ」・・・と返ってきた。

 

 

知っている人は、ちゃんと知っているのだ。

私の夫も彼女の夫も同じ企業に勤めているのに、アメリカ人だと納税が倍大変。

しかも、英会話スクールの先生などではなく、一流企業勤めで収入は一般より多い。

申告書のチェックも厳しいはず。。。

余談ですが、その後彼らは、311の東日本大震災の翌日、312に、慌てふためき

日本を脱出しアメリカに帰りました。。。結構ビビりだったけど、ここまでとは。。。

(でも、そのままずーっとアメリカにいる方がいいでしょう)

 

 

数年後、当時アメリカ企業勤めの夫も、ロンドン赴任叶わず、NYの本社勤務になり、

家族で数年アメリカに住むことになりました。(;´д`)トホホ

そこで、アメリカの税金の計算方法は、トリッキーだということも判明。

よく考えて、日にちを選んで入国しないと、居住を始める以前の日にちにさかのぼって

税金が発生するので要注意だということ。

その辺は税理士とよく相談して、綿密に日程を組みました。

 

 

記事の国籍放棄を希望する理由にもありましたが、

「アメリカの納税申告では、国外に保有するすべての外国銀行口座、投資内容、

年金保険など、とにかくすべてをアメリカ政府に報告」しなければなりません。

 

 

これは、ほんとに気分悪いです。

自分の国でもない国に、日本の金融資産の内容を全部報告するとか。

しかも、これを正確にしないとものすごいペナルティを課されてしまう。

これに関しては、市民権を持っていてもいなくても、アメリカに住んでいれば、

全員が納税申告書にこれらを記載しないといけないことです。

それが、市民権を取得したら、たとえアメリカに住んでいなくても

この義務が一生付いてまわるんですー!

 

 

記事によると、この1-3月期の国籍放棄者が、全四半期の10倍以上だったとか。

今年はコロナウィルスの影響で、納税機関が4月から7月に延期されたので、

これを機会に!と駆け込み申請も増えた模様。

 

 

国籍放棄ができる人って、海外にも資産がある裕福な人たちです。

だから、政府も彼らを逃したくないわけです。

ところが、手数料を以前の約5倍に引き上げても効果がないらしく、

放棄する人の数は減らないようです。

 

 

私たちは、就労ビザでアメリカに住み始めたわけですが、利便性のために、グリーンカードの取得を考えたことがあります。

他の人たちに比べると、うちはもうすぐに取れそうだったこともあり。

ですが、一旦取ってしまうと、放棄するときに申請がものすごく大変で、手数料も高額だと

聞いて、方向転換。

再び異動するという形で、アメリカを脱出する方法を模索し始めたのであります。

 

 

私の長年アメリカに住んでいる(25年以上)友人も、利便性のためグリーンカードは取得してますが、市民権を取るつもりはない、と言っています。

たまに、アメリカ人(もう移民数代目で国籍はアメリカのみ)から、アメリカの市民になりたくないなんて、信じられな~い、みたいなことを言われるらしいですが、

彼女はまったくそう思わないらしいということ。

彼らは、退路を断ってヨーロッパから渡ってきた移民の子孫ですから、もはやアメリカしか知らないし、世界で一番素晴らしい国だと思い込んでいる節があります。

でも、アメリカの人はパスポートを持っていない人が多く、実際には結構井の中の蛙です。

 

 

友人は、オーストラリアからの移民で現在はアメリカ人になっている人と結婚し、

二人の子供がいて、すっかりアメリカナイズされた生活を送っています。

子供二人は一言も日本語をしゃべれないし、日本を捨てたのかと思いきや、そうではないんだとわかり意外でした。

お喋りしていると、彼女はよく「あなたたちの国は、・・・」と家族に対して言っていました。

彼女には日本人としてのプライドがあって、アメリカのことも冷静に見ています。

自分は、グリーンカードで十分だと思ってます。

とても賢い人で、おしゃべりしていても楽しい。

そして、子供たちが巣立った後の自分の人生を、今からとても楽しみにしているみたい。

もし日本に戻ってきたときに、アメリカの市民権を持っていたら大変だわ~。

 

やっぱり彼女は賢い。