私は、カナダに移民して、日本での学歴・仕事歴はゼロになりました。
専攻や職種にもよると思いますが、私は
ファッションの専門学校 ➡︎ ファッション雑誌の編集部員
という、日本国内でもツブシのきかないことをやっていました
おまけに、それも20代の頃のハナシ。
30代は仕事を辞め、まず中国に語学留学、合間に派遣社員として働き、次はカナダに語学留学。
周囲がどんどん結婚してもどこ吹く風。結婚も出産も、全く眼中にありませんでした。
そんな無計画な性格のおかげで(?)婚期が遅れたわけですが・・・。
ちょっと話は逸れましたが、カナダに来てからの仕事探しです。
私は、日本での経歴がカナダで使えないどころか、まず英語がろくに話せませんでした
面接でも、相手の質問も聞き取れない始末。連戦連敗の日々でした。
ところがある日、幸運にも、ポストオフィスのカウンター係に採用されたのが、カナダでのキャリアの始まりでした。
当時住んでいた場所が、アルバータ州のフォートマクマレーという、人のいない山奥で、
極寒の地にわざわざ集まってくる人々は、オイルサンドで働いてじゃんじゃん稼ぐことだけが目的
オイルサンド関係以外の仕事は不人気で、常に人手不足の状態だったのです。
で、そのポストオフィスのあるショッパーズ(ドラッグストア)が、これまたマネジメントがかなり適当で・・・
ティーンエイジャーのアルバイトたちが恐ろしくいい加減な仕事をしている店でした。
で、面接で、当然何も喋れないわけですが、人探しに切羽詰まっていたのか、「ええい、変な人じゃなければもう誰でも良いっ!」という感じで、採用されたのです。
そこで、マネージャーや同僚たちの使う英語を聞きながら、少しずつ、英語や、カナダのワークカルチャーなどに触れていきました。
しかし、「おバカなティーンエイジャーでも簡単にできることが、言葉の壁のせいで、自分にはできない」という現実に何度もぶち当たり、悔しい思いをしたことも、一度や二度ではありません。
そうです、英語ができなければ、母国で医者をしてようが法律を学んでようが、カナダではゼロスタートになってしまいます。
日本で美容師や寿司職人をやっていた人なら、カナダでも英語の壁はさほど問題にならずすぐに働けるかもしれません。コンピューター言語は世界共通なので、プログラマーはカナダでもどこの国でも安泰かもしれませんね。
電気工事士や歯科助手をやっていた人なら、知識をベースにカナダで資格を取りなおせば、日本でやっていたのと同じ仕事ができそうです。
話は私の職歴の話に戻ります。
最初に就いたポストオフィスのカウンタージョブのあと、奇跡的にカナダポストに採用され、2年ほど、ガバメントワーカーになった時期もありましたが、
それは、カナダの別天地・フォートマクマレーが起こした特別なミラクルでした。
オンタリオに引っ越ししてきてからはずっと、最低賃金の仕事を転々としています。工場でメタル部品を作るマシーンオペレータ、UPS(アメリカの宅配企業)のデポーで入力作業、日系企業で郵便物管理・・・福利厚生は、あったりなかったり。
カナダで高卒の資格だけは(無料だったので)取りましたが、
その先は、時間もお金も脳みそも(涙)ついていかなくて、なかなか・・・
しかし、最低賃金の生活から抜け出すためには、やはり学歴が求められるんです。
都会であるトロントは、求人はありますが、競争もすごく激しいです。
高校では、カレッジレベル(カレッジに進学する生徒向け)の英語や数学などを取って卒業しました。
大学に進学するには、ユニバーシティーレベルの科目を取ることが条件です。
私が大学に行くためには、今から高校のユニバーシティーレベルの科目を取り、なおかつ高得点でなくてはならず・・・
というか、カレッジレベルでも結構大変でした!!数学以外は全部!!
で、大学で学びたい専攻によっては、高校で生物や科学も取らなければいけない。
43歳から、大学進学の条件を満たして、それから大学に入るんじゃあ、10年かかってしまいます・・・(汗)。
たとえカレッジレベルだとしても、英語で生物化学を学ぶ勇気がない
となると、カレッジに進み、私がとった科目だけで入学条件を満たせる専攻だけが、私の選択肢。
しかも、教室で、カナディアンたちと机を並べて授業についていくことは難しいと思われるので、
オンラインで学べることを探しています。
加えて、パートタイムで、働きながら、授業料を少しずつ払いながらやっていきたい。
すると、もうおのずと、選択は限られてきます。
もしも今、自分がティーンエイジャーのカナダ人だったら・・・
大学で、公衆衛生を学んでみたいです。
レストランの厨房で、テスターを使って細菌をチェックして、「この場所にこの種類の細菌がこれだけいる。条例では、数値は◯◯未満でないといけないことになっていますよ」などと言う自分、かっこいいなあ・・・(※私の、公衆衛生管理者の仕事に対する勝手なイメージです。)
お給料もいいですしね。
まあ、私は化学は好きじゃなかったので、たとえ今ティーンエイジャーだったとしても公衆衛生管理士になるのは無理かな
ともかく、今、ようやく経済的に少し安定してきて、
授業料を払って学校に行き、カナダで学歴を作るということが、パートタイムでならできるかも、という状況です。
私の進路は消去法で決まりますが、仕方がありません。貧乏で、年取っているので、安く、早くが何より大事
(ちなみに、安く学べて高収入、と夫が勧めてきた、電気工事士とプログラマーは過去にトライしましたが挫折しました。夫、いつも私に無茶ぶりしすぎ!!)