金曜日に、前門に行って来ました。
目的は布靴の専門店「内聯昇」。1853年創立の老舗です。
大連の夜市で、安物の布靴を買ったのですが、思いのほか履き心地がよくて、
布靴に興味を持ちました。
私が買ったのは、ストラップつきでした。
店内のショーウインドウにはずらりと布靴が並んでいます。
安物はゴム底だけれど、「内聯昇」の布靴はすべて布と糸だけで手作りされています。
お店の一角に実演コーナーがあって、
おじさんがせっせと(いや、携帯でメールしたりもしてた)布靴を作っていました。
おじさんは布の底を何層も重ね、上からステッチで刺し通しています。
しばらく無言でおじさんの作業を眺めていたのですが、勇気を出して
「あの・・・布靴作りに興味があるので、写真を撮ってもいいですか?」とたずねると、
快くオーケーしてくれたうえ、布靴作りについていろいろと説明してくれました。
知らない単語が多くて聞き取りは難しかったのですが、
最もシンプルな男性用の布靴でも、100以上の工程があるそうです。
布靴の作り方から歴史まで、いろいろ紹介してもらって、
なんだか得した気分でした
溥儀、毛沢東や周恩来といった皇帝や政治家、文豪なども
このお店の布靴を愛用していたそうです。
「でも、底も布じゃ、外を歩けないのでは?」と聞いてみると、
やっぱり雨の日はダメだそうです。
一応、外を歩けるように、無料で底にゴムのシートを貼ってくれます。
それでもやっぱり外出したら底の脇の部分が汚れてしまうと思うので、
室内用に使うのがいいかも。
値段は80~350元くらい。
手の込んだ刺繍が施されているものは高いです。
180元前後のものが多いです。
この日はデザインと履き心地の両方で満足できる一足を決められずに
買わなかったのですが、帰国する前に絶対に買いたいと思っています。