胡同のひまわり

ビザ申請の帰りに、渋谷に寄って「胡同のひまわり」を見てきました。

NHKの「テレビ中国語会話」で監督のインタビューを見てから、

公開を楽しみにしていたんです。

監督自身の、自伝的な内容なのだそうです。


平日の昼間にもかかわらず、満席。

お客さんは60代くらいの方がほとんどでした。


1970年代から現代まで、

胡同に住むひとつの家族の物語と、

北京の変化をともに描いています。

胡同とは、中国の、昔ながらの長屋風集合住宅です。


私は、1976年、主人公が9歳の頃の、

活気に満ちた胡同が印象的でした。

隣近所の人たちとの距離が近くて、

みんな玄関の外で料理したり、ご飯を食べたりしています。

ほかの家と共同の中庭で、

遊んだり、家事をしたり。

子供たちは、胡同の迷路みたいな作りにも慣れっこで、

細い路地を駆け抜けていきます。

屋根の上に登ると、胡同を一望できます。

小さいけれど、住み心地のよさそうな胡同の家。

自分も子供になったような気分で、

胡同での暮らしを想像し、わくわくしました。


一人息子への愛情のためだけに生きる頑固な父親と、

自由にさせてくれない父親に反発する息子。

どんどん取り壊されていく胡同と、

次々に建てられる胡同を見下ろす近代的な高層ビル。

親子の関係も、胡同の様子も、時の流れと共に変わっていきます。


劇的に変化する社会の中を生き抜き、

現在もすごいスピードで変化していく北京を見ている

北京の老人たちは、

どんな思いで日々を過ごしているのでしょうか。


北京に行って、中国語が上手になったら、

お年寄りの方とお話してみたいと思いました。


帰りに、60代くらいの男性二人連れが、

「昭和30年くらいの感じ(に似てる)かなぁ。

オンドルなんて懐かしいなぁ」

と話していました。