昨日BSで「インド独立の父」として知られるマハトマ・ガンジーの伝記映画がやっていたのでレビューっぽいものをしてみる。

$Night of the Living Dead Dolls ~死人人形作世記~

ホラーばかりではなくたまにはまともな映画もみるんだね。

ガンジーの青年時代から暗殺されるまでを描いた長編歴史映画で188分もあるが観ていて全然飽きがこない。一つ一つのシーンに心打たれるものがあるからだ。

途中から観たので南アフリカで公民権運動に参加していた時代は見ていない。この時代はガンジーが非暴力運動の思想を形成していった時代でもあるそうなので非常に重要な部分なのだがw

イギリスの統治に抗うインドの人々。ガンジーは人々に暴力ではなにも解決には至らないことを説く。

最初は目には目をということで血で血を洗うような争いをしていたが、その度に心を痛めたガンジーは断食という暴力に対して命をかけた抗議を行う。その結果、人々はガンジーの説く「非暴力・非服従」を受け入れるようになっていく。

暴力に対し、あくまで非暴力、非服従で挑む人々の高潔な姿は圧巻である。

イギリスの綿製品への非買運動、塩税に抗議した「塩の行進」…
やがて人々の暴力なき抗議によって独立を勝ち取ることに。

しかしヒンドゥー教徒とイスラム教徒との間に亀裂が入り、それぞれがインド、パキスタン(当時は東西に分かれていた)と分かれるようになる。人々は気高さを失い、互いが憎みあうように。それでもガンジーはヒンドゥー、イスラム両教徒が互いを尊重し、愛し合うように説く。

しかし、イスラム教徒に対して譲歩しすぎるガンジーに怒りを覚えたヒンドゥー原理主義集団民族義勇団の一人、ナートゥーラーム・ゴードセーによって3発の銃弾を打ち込まれてしまう。

息絶えるガンジー。しかし、その死の瞬間ですら、イスラム教で「あなたを許します」という自らの額に手を当てるという動作をしている。

死の間際ガンジーは「おお、神よ…」とつぶやいた。

ガンジーを暗殺したナートゥーラーム・ゴードセーはその後どうなったのだろう?
周りの人々にリンチにあい、殺されてしまったのではないだろうか?そう思うと悲しくなる。
(インド、パキスタン両国の独立をゴードセー側からの視点で描いた「暗殺!5時12分」という映画もあるそうだ。機会があったら是非観てみたいと思う。)

その後の両国の関係は歴史が示すとおり。
昨日も爆破テロがあったそうだ。今なお印パ関係は悪化している…

「目には目を…では世界が盲目になってしまう」

と語るガンジー。いまだに世界は憎しみによって互いの目を潰しあっている。人類すべてが「汝隣人を愛せよ」の精神を持てる日が来るのだろうか…

ガンジーはこうも語る。

「私は失望したとき、歴史全体を通していつも真理と愛が勝利をしたことを思い出す。暴君や殺戮者はそのときには無敵に見えるが、最終的には滅びてしまう。どんなときも、私はそれを思うのだ」。

映画の中でも度々登場する言葉だが、ガンジーは人類すべてが憎しみや怒りといった心の圧政者に打ち勝ち互いを愛することが出来ると信じている。

どんな時代でも愛の力は最強なのだから・・・



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