皆さんおはようございます!

整体院「感喜」の金子です!

 

 

今回は喘息と自律神経の関係についてお話したいと思います。

 

 

 

 喘息と自律神経

 

20世紀初頭、コフマンは、喘息は心理的動揺のみによって現れる一次的な神経症ではないという通説に反論しました。彼は、喘息の神経学的要素は疾患の病態生理の不可欠な部分であるが、患者の「頭の中にすべてある」ものではないとも述べています。
また彼は、神経症は「気管支の筋肉の障害による二次的なもので、呼吸困難を生じ」、息切れに伴う不安につながると推論しています。

 

つまり、コフマンさんは喘息の発症に自律神経のバランスが関わっていると考えていたのです。

 


Henleyらは、気管支平滑筋を支配する交感神経鎖(T1-T6)と副交感神経(迷走神経)の相反する役割に対処するために、オステオパシーテクニックを強調しています。オステオパシーテクニックによって体性機能障害に対処することで、交感神経緊張の正常化を助け気管支狭窄や粘液分泌を改善させ呼吸困難感の管理を行うことができると述べています。また、具体的なテクニックとして肋骨挙上や胸椎の関節矯正や頭蓋仙骨療法(頭の骨と背骨の土台になる部分を調整する手法)を挙げています。これらのテクニックにより一般的な症状や喘息の症状にも対応できると考えられています。

 


胸郭の可動性を改善するオステオパシーの介入は、自律神経系の調節機構に好影響を与えることが分かっています。つまり、自律神経のバランスを整えるのです。
喘息の方の場合、自律神経のバランスが崩れてしまうとどうなるのか?

副交感神経支配は、気管支平滑筋の調子を整えますが、副交感神経の働きが亢進すると、気管支収縮や肺での粘液分泌が亢進してしまい呼吸苦や咳、痰が出てきてしまいます。
 

さらに、副交感神経緊張の病的逸脱は、副交感神経緊張の亢進をもたらすアドレナリン作動薬に対する反応の低下やコリン作動薬に対する反応の誇張と関連しているとも述べられ、吸入ステロイドなどの薬剤の効きも悪くさせてしまう可能性があることも述べています。

 


Oiumは、OA(環椎後頭関節(首の付け根にある関節))減圧と迷走神経直接抑制の応用が、この副交感神経緊張に対処できることを立証しました。つまり、上記の手技は、副交感神経緊張を抑制して気管支拡張を可能にし、その後の粘液産生を減少させることを目的として喘息の患者様に適応されます。

 


つまり、喘息の方は副交感神経が優位になりすぎないようにしなくてはいけないということです。

副交感神経は内臓の機能を高め、リラックスさせる神経であり慢性疾患の方は副交感神経のスイッチを入れてあげたほうが良いのですが、喘息の方は逆で副交感神経と交感神経がバランスよく働いてくれないといけないということになります。

 

 

では、なぜ副交感神経が優位になり過ぎてはいけないのか?

これは免疫学者であった故安保徹先生が発見したものなのですが、副交感神経が優位になるとアセチルコリンという物質が放出され、これをリンパ球がキャッチします。その結果、リンパ球が活性化するのですが、リンパ球は主に身体の外から入ってきた外敵(抗原)を倒します。なので、リンパ球が活性化しすぎると外敵(抗原)に対して過剰に反応してしまいアレルギー症状を出します。

 

喘息の方では、リンパ球が活性化した状態でほこりやハウスダスト、排気ガスなどを吸ってしまうと、リンパ球がこれらの外敵(抗原)を身体の外に出そうとして気道に炎症を起こして、粘液分泌を亢進します。その結果、呼吸が苦しくなったり、痰が出てきて咳が出るようになります。

 

 

なので、喘息の方には副交感神経と交感神経のバランスをとる必要があり、その方法の1つとしてオステオパシーがあります。

 

 

本日はここまでです。

最後までお読みいただきありがとうございました!