…原作の小説をネット上で見られることが分かったので、前回紹介したthe auto parts storeからサンディの働くお店を推理する部分を、ちょっとだけ読んでみました。映画では弁護士のヘレンとの掛け合いでしたが、小説ではリーチャーが一人で思考を巡らせています。試しに、anとtheの対比の部分を、訳してみます。
 
Are you a hooker?
No way. I work at the auto parts store.
  Not an auto parts store. The auto parts store. Maybe the only one, or at least the main one. The biggest one. Which in any city is always right there on the same strip as the tire stores and the auto dealers and the lube shops. Which in any city is always a wide new strip near a highway cloverleaf. Cities are all different, but they are also all the same.
 
「娼婦なのか?」

「まさか。あの自動車部品店で働いてるのよ。」

単に自動車部品店だ、というわけではない。特別な自動車部品店だ。一軒しかない店か、少なくとも主要な店だろう。一番大きな。そのような店は、どこの町にでも、タイヤ店やカーディーラーやオイル交換店などと、必ず同じ区域にある。そういう区域は、どこの町でも必ず、幹線道路の立体交差点近くの、広くて新しい場所だ。町というものは、それぞれに異なるが、同時に、皆同じでもあるのだ。
 
うまく訳すのは意外と難しいですね。でも、英語では冠詞の違いでこのような意味の違いが生じるんだよ、と示すためには良い例だと思います。
 
おわり