数年前、東急東横線の学芸大学駅近くに、
「深海の夢」という、変わった名前の飲み屋がありました。
オーナーが伊豆大島から取り寄せた魚を中心に、
気の利いた肴を安く出してくれる店で、
なかなか寄れなかったのですが、お気に入りの店でした。
それが突然、店を閉めてしまい、すごく名残惜しくて、
携帯に電話番号を残したままにしていたほどです。
きょう、自由が丘駅近くを歩いていて、
「魚のうまい店」と染め抜いたのぼりをみて、
どうせ大したことないのでは、と思いつつ、
近寄ってみると、なんと店名が「深海の夢」。
思わず店内に入って、
「学芸大学にあった店と関係あんの?」
と聞きましたさ。
すると、
痩せていて最初は分からなかったけど、
学芸大学の店の料理長が、
「同じ店です」
「え~~、そうなの~」
「学大の店知ってる人ですか、うれし~な~」
「ここでやってたんだあ」
「カウンターに座ってました?」
「カウンターにいて、料理長みてましたよ~」
「そうですか~うれし~な~」
「いつ開いたんですか」
「2年前です。前の店はオーナーが亡くなって閉じたんです」
「あ、そうだったんだあ」
「よろしければ、ちょっと如何ですか」
「じゃ、ちょっと」
と、腹は空いてなかったけど、一杯飲んでいくことにしました。
新しい「深海の夢」は、
元料理長で店長の徳丸さんの故郷の鹿児島からも魚を直送していて、
以前より多彩でパワーアップした肴がいろいろ。
真鯛の肝の串焼きと、
右端にある小さな固まりは、
魚の皮を湯通しして煮こごりのように固めたもの(1個食べてしまいました)。
イカの昆布巻き針ショウガ添えとフキの葉の佃煮を載せた奴。
フキの葉が旨い。
学大の店でも名物だったベッコウ寿司。
青唐辛子の入った醤油に漬けた白身の寿司で、
本日は金目鯛。
うみゃ~、懐かし~
mamiotさんがちょっと寒そうにしてると、
カウンターの上に小さい七輪を置いてくれたので、
ついでに、
ネギも焼いてもらいました。
鹿児島名物のカツオの腹皮も食いたいけど、
腹がポンポコリンで、きょうは許してやることにしました。
携帯の電話リストはもちろん、新しい番号に変更しておきましたさ。